平成30年9月定例県議会 発言内容(小島康晴議員)


◆小島康晴

 

 おはようございます。県民生活の利便性向上にかかわって3点伺います。

 さきの選挙戦で、知事は、合併前の119市町村に足を運ぶといたしまして、17日間で見事実行、実現されました。敬意を表し、評価するところでございます。
 私としては、ならば昭和の合併の前の旧町村で頑張っている地区にも足を運んでいただきたかったなと思ったところですが、それはさておきまして、この119の町村は、地図の上では境を接していても、実際には常時または冬期間などに行き来できない町村があります。例えば、旧上村から大鹿村、大鹿村から旧長谷村などですが、相互の交流や利便性の向上のほか、万が一の災害時に陸の孤島とならないように、防災面の観点からも通行不能区間道路の解消が必要と考えますが、どのように考え、取り組んでいかれるのか、建設部長に伺います。
 次に、会議や研修会の開催について伺います。
 22年2月定例会、あるいは27年2月定例会でも、私が質問し、要望してきたところですが、県が主催などする会議や研修会、あるいは資格試験などの開催に当たっては、参加者の利便性を考え、できる限り県内各地で分散開催するよう求めてまいりました。最近ではテレビ会議などの新たな手法も考えられますが、どのように取り組んでおられるか、また、取り組んでいかれるのか、総務部長に伺います。
 続きまして、南信運転免許センターにかかわって伺います。
 東信に運転免許センターが設置された際に、その様子を見ながら、引き続き南信にも設置するということで話が始まりまして、地元とも警察本部ともさまざまな協議を真摯に重ねていただきまして、飯田近辺に設置するとの方向が確認され、現時点では地元の広域連合が飯田産業センター跡地を候補地として要望している状況であります。しかしながら、2月や6月の警察委員会の審議などを伺っておりますと、その説明では、何をおいても十数人の警察職員増員の確保が最大の課題とのことで、その後余り進展していないと受けとめられています。
 一般の商品と比べるのは不謹慎で不適切かもしれませんが、インターネットの普及などによりまして注文した品物が北海道や九州からでも次の日に届くような時代でございます。申請して1カ月後に免許証を受け取るとか、即日欲しかったら塩尻まで出向けというようなことはこの時代にそぐわないのではないでしょうか。あくまで私どもとしては免許センターの設置を基本の要望としながらも、何とかこの現状を打開する方策がないものか、他県の事例なども含め御検討いただき、南信の県民の免許証交付の利便性の向上を図っていただきたいと考えますが、警察本部長に伺います。
 次に、大きな2項目として、小さな拠点、地域運営組織について伺います。
 6月に実施されました内閣府の調査によりますと、小さな拠点が全国で1,000カ所を超え、1,069カ所になったとのことです。小さな拠点及びそれを支えると言われます地域運営組織の長野県内の現状と課題はどのようか、この調査結果も踏まえ、企画振興部長に所見を伺います。
      

◎建設部長(長谷川朋弘)

 

 通行不能の国道、県道の解消に関するお尋ねでございます。
 国道、県道の中には、急峻な地形のため、国道152号飯田市上村地蔵峠のように、市町村境や県境で1年を通じて通行不能となっている区間があります。また、積雪による雪崩の危険や路面の凍結により交通の安全確保が困難なことから、国道152号大鹿村の分杭峠のように、冬期間通行どめとしている区間もあります。これらの区間の解消に当たってはトンネル整備等が考えられますが、多額の事業費が想定されることから早期の事業化は困難な状況であり、当面、冬期間通行どめ区間については現道の防災対策、通行不能区間については広域的な迂回路の改良等を進めてまいります。
 以上でございます。
      

◎総務部長(関昇一郎)

 

 会議、研修会等の開催手法についてのお尋ねでございます。
 本県では、平成25年3月に、職員提案に基づき、会議の効果的、効率的な開催を行うため、会議の3か条を定め、参集しやすい場所での開催やテレビ会議等の活用などについて全所属でチェックの上、毎年見直しを行っているところであります。
 会議の開催場所、開催方法についての昨年度の見直し事例としては、県庁で行っていた会議やヒアリングを現地機関等の単位で実施することとしたことや、市町村の職員に地域振興局にお越しいただき、県庁と地域振興局の双方向によるテレビ会議を実施したことなど、出席者の移動時間の短縮や旅費等の負担軽減を図るための取り組みを行っております。
 また、ICT環境の充実により、テレビ会議等の開催も年々増加をしておりまして、平成27年度に120回だったものが29年度には193回となっております。今後も、会場を県庁にこだわることなく、出席される皆様の利便性を考慮した効果的、効率的な会議の開催に取り組んでまいります。
 以上であります。
      

◎警察本部長(内藤浩文)

 

 南信運転免許センターの設置に係る質問についてお答えいたします。
 南信地域の住民の方々の免許更新手続の利便性の向上を図ることは、県警察としても重要課題の一つと認識しております。また、南信州広域連合、南信州広域連合議会からは、南信州・飯田産業センターの跡施設に南信運転免許センターの開設を求める旨の要望書の提出を受けているほか、9月26日には、下伊那郡北部ブロック町村議会からも、運転免許センター設置に向け所轄関係機関において積極的な遂行を要望する旨の要望書が提出されております。
 南信地域への運転免許センターの設置につきましては、必要な職員数、施設面、予算等の課題があるところ、特に職員の捻出が大きな課題となっており、それぞれの課題について検討しているところであります。さまざまな課題がある中、南信地域の多くの住民の方々の免許更新手続の利便性の向上が図られる方策について、他県の事例なども含め、調査研究させていただきたいと考えております。
 以上でございます。
      

◎企画振興部長(小岩正貴)

 

 小さな拠点及び地域運営組織について、県内の状況とその課題ということで御質問をいただきました。
 しあわせ信州創造プラン2.0では、2022年度までに小さな拠点の形成数を県内で55カ所、地域運営組織の数を県内で240団体とする目標を掲げてございます。言及のありました最新の調査結果によりますと、県内の小さな拠点は本年5月末現在で50カ所でございます。一方、地域運営組織は、現在、本年1月1日現在の組織数を調査中でございますが、直近の昨年度末の公表値でございますと201団体形成されてございます。いずれも、目標達成に向けまして着実に取り組みは進んでいるものと認識をしてございます。
 一方で、こうした取り組みを持続可能なものとするためには、担い手の確保と人材育成に課題があると認識をしてございます。このため、今後は、この取り組みを担う人づくりの観点から、地域住民組織主体の活動に寄り添う人材育成の講座を行うなど、形成されました拠点や組織の機能を発揮、維持していけるよう支援を強化してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
      

◆小島康晴

 

 道路に関連いたしまして御答弁いただきましたが、やはり防災面では多重性とか言われておりますし、ミッシングリンクという表現もございますが、やはり道路はつながってこそ効果が出るものでありますので、引き続き長期展望と東西南北のバランスを見つつ整備促進をお願いしたいと思います。
 それから、会議などの開催については毎年見直して御尽力いただいておるということでございます。重ねて言うのも失礼ですけれども、何でも長野に集めればいいんだという発想はぜひ捨てていただいて、集まる県民の皆様の利便性に思いをいたして引き続きの改善努力をお願いしたいと思います。
 免許センターに関しましては、他県の事例も含めて調査研究いただくということでございます。現状のままでいきますと、郡市民の皆さんの中には、何年後か、将来の飯田警察署の建てかえのころまで先送りとなってしまうんではないかと心配、不安の声すら聞かれるようになってまいりました。ぜひ御検討、御研究をお願いしたいと思います。
 それから、小さな拠点につきましては、今回の総合計画は学びと自治の力を推進のエンジンにしていくということでやっておるわけでございますが、この小さな拠点や地域運営組織というふうに国から進められているものと、これまであった町内会とか自治会といった既存の自治組織、地域組織とどのように連携するのか、すみ分けるのか、順調にできているという評価でございますけれども、その点も含めてよく御検討、御研究をいただきたいと思います。
 大きな3番目の項目としまして、県政運営について伺います。
 私の記憶に間違いがなければ、時折、一義的には教育委員会でといったような表現を知事以下されますが、県民の皆さんにとりましては、知事部局も教育委員会も警察本部も、あるいは企業局も同じ長野県であります。それぞれの部署では、まずそれぞれのお仕事に全力で当たっていくのが当然第一でありますけれども、いわゆる縦割りの弊害を排して決断できるのは、唯一県民から直接選挙で選ばれた理事者である知事しかないと考えます。
 県民起点の県政ということをうたうならば、県民の皆さんの立場に立ちまして、即断即決の県政運営が期待されていると思います。2期8年の経験と実績も踏まえ、3期目に当たっての総合計画や公約のスピーディーな実現に向けた知事の所見を伺います。
      

◎知事(阿部守一)

 

 県民起点で即断即決の県政運営についての所見という御質問でございます。
 一義的にはというのは、確かに私も時折使わせていただいておりますが、基本的には、教育委員会であったり、警察本部であったり、他の執行機関の業務に属することについてはそういう言い方をさせていただいております。これは、法令上、私の権限に属さない独立した執行機関が権限を所管しているわけでありますので、そうした趣旨を、一義的には例えば教育委員会でというお話をさせていただいています。
 しかしながら、小島議員おっしゃるとおり、私がこの選挙で直接負託を受けている立場であります。県民の皆様方の安心や安全、あるいは子供たちの教育の部分も含めて、県民の皆様方から負託を受けているわけでありますので、そうした観点からすれば、御指摘のとおり、私自身がしっかりと県庁全体を総合調整していくということが重要だというふうに考えております。
 今回、選挙期間中に私が県民の皆様方に訴えさせていただいたことを中心に攻めと守りの政策パッケージということで取りまとめさせていただきました。これは、まずスピード感を持って政策実現していきたいという思いと、それから、まさに御指摘のとおり、私の選挙公約にも教育にかかわる部分がかなり入っていますし、今回の政策パッケージの中でも教育委員会の所管部分を組み込ませていただいております。
 そういう意味で、これからもスピード感を持って、そして、しっかりと県庁全体の総合調整を行いながら、責任を持って、県として、県知事としての責務を果たしていきたいと思っております。
 適時的確な判断をしていくということ、これは、もとより私の責務でありますし、また、県庁の総力を発揮して総合的に県民の皆様方に安心、希望をもたらす、そうした長野県政になるように今後とも全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 以上です。
      

◆小島康晴

 

 法令上の権限というようなお話もございましたけれども、実際には予算と人事はほとんど知事が実質握っておられるということで、ぜひその辺に思いをいたしてお取り組みいただきたいと思います。
 光が当たりにくいところに光を当てる、すばらしいことだと思います。ただ、気をつけなければならないのは、知事も、多分私ども議員も、どちらかというと光が当たる、あるいは光を当てる側にいるんだろうなということでございます。光の当たらないところの皆さんは、当たっていないと声を上げない、あるいは上げられない。だから光が当たっていないということではないかと思います。それを、県民に接する現場の職員の皆さんがいち早く察知する。知事にそれが素早く届き、即断即効で光が差してくる。そんな県政を御期待申し上げまして、終わります。