平成30年9月定例県議会 発言内容(荒井武志議員)


◆荒井武志

 

 皆様、こんにちは。通告に従いまして、順次質問をいたします。

 初めに、防災・減災対策についてであります。
 西日本に大きな災害をもたらした平成30年7月豪雨、台風21号被害、北海道胆振東部地震と全国で大規模な災害が相次いで発生し、お亡くなりになられた方々とその御遺族に深く哀悼の誠をささげますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 そして、その後も、台風24号、25号が立て続けに信州長野県にも襲来しました。今や、自然災害はいつやってくるのかではなく、頻繁にやってくる状況になっています。降雨量は時間雨量が100ミリを超すのが当たり前とも言える状況になっていますし、河川の水位を見れば、雨がさほど降らないのに上流域に降った大雨により水位が上昇し、被害を及ぼすという状況もしばしば発生してきています。
 千曲市では、台風24号による降水が観測地点5カ所のうち最大地点でも53ミリであったにもかかわらず、千曲川が増水し、河川敷グラウンド等が2カ所で水没という結果を残しました。台風24号では、風の影響も大きなものがありました。中部電力管内では、高圧線の断線や樹木の接触、倒木等により停電が発生し、静岡県では、静岡市、浜松市などを中心に最大65万戸超、長野県でも南信地域を中心におよそ2万5,000戸が影響を受け、被災後3日、72時間を超えてもなお通電しない状況がありました。そして、このような災害の際には、常備消防や消防団、自主防災組織等のひたむきな活動があることを私たちは再認識しなければならないと強く思うところであります。
 私たち会派、信州・新風・みらいは、6月中旬、県外調査を行い、広島県の災害死ゼロを目指す「広島県「みんなで減災」県民総ぐるみ運動」について学びました。運動の目指す姿は、「すべての県民や自主防災組織等が、普段から災害に備え、いざというときには、命を守るための行動をとることができるよう、県民一人一人が必要な知識の習得や、状況に応じた適切な行動力を身につけ、県内各地域で助け合える体制づくりが進んでいる。」という状況をつくるものであります。また、県内の消防団員数は3万4,585人で、全国同様減少を続ける中、うち女性が1,144人で3.3%、学生はごくわずかな57人と伺っております。
 これらを踏まえ、質問をいたします。
 初めに、危機管理部長に伺います。
 県は、去る9月24日、自治体消防制度70周年記念長野県大会を開催し、「地域の防災力強化と私たちの役割」をテーマに、女性消防団員、女性消防職員、長野県立大の女子学生をパネリストにパネルディスカッションを行いましたが、その概要とそこで出された意見を今後どのように生かしていくつもりかお伺いします。
 次に、知事にお伺いいたします。
 自治体消防制度70周年記念長野県大会が前回から10年ぶりに開催され、阿部知事就任後では初めての大会となりました。これまでの2期8年、そして今回の記念大会を踏まえ、自治体消防制度に対する率直な思いをお伺いいたします。
      

◎危機管理監兼危機管理部長(池田秀幸)

 

 防災・減災対策について御質問いただきました。
 自治体消防制度70周年記念長野県大会に関する御質問でございます。
 県内の消防団員数が減少傾向にある中、地域防災の中核を担う消防機能を維持し、向上させていくためには、女性団員や学生団員のさらなる加入促進が重要と考えております。こうした状況を踏まえ、議員の御質問にもございましたように、大会では、「地域の防災力強化と私たちの役割」をテーマに、女性消防団員や女性消防職員、県立大学生によるパネルディスカッションを行いました。討論では、日ごろから防災意識を高めるための取り組みの大切さや避難所のあり方も含め、防災計画の策定に女性が参画する重要性でありますとか、幼少期からの防災教育の必要性など幅広い意見が出されました。
 県といたしましては、今回のパネルディスカッションの内容をホームページなどで広く周知するとともに、参加者から出された意見を踏まえ、女性の視点を取り入れた避難所のあり方などについて市町村とともに具体化を進めてまいります。
 さらに、今回参加された県立大学生による女性消防団員と学生消防団員へのインタビューを盛り込んだパンフレットも現在作成しております。今後、市町村と連携しながら、消防機関、大学、企業等への配付を行い、女性や学生の活躍を発信し、団員の確保にもつなげてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
      

◎知事(阿部守一)

 

 私には自治体消防制度に対する思いという御質問をいただきました。
 まず、ことし自治体消防制度が確立されて70年という節目の中で、9月の記念大会におきましては、議員各位を初め消防関係者の大勢の皆様方の出席をいただく中で開催することができましたことにまずもって御礼申し上げます。また、消防職員あるいは消防団員の皆様方には、昼夜を分かたず、地域の皆様方の安全、安心のために活動いただいておりますこと、本当に心から感謝を申し上げます。
 加えて、私がこれまで知事として仕事をするに当たりましても、県としても何度も災害対策本部を設置いたしまして、その上で、消防職員の皆さん、そして消防団員の皆様方の御協力をいただきながら、地震対応、噴火対策、風水害対応、こうした取り組みを行ってきました。こうした対応をとることができましたのも、本当に消防職員、消防団員の皆様方の御協力、御支援のたまものであるということで、重ね重ね感謝を申し上げたいと思います。
 私は、消防はまさに地方自治の基本だというふうに思っております。自分たちの地域は自分たちで守るという自治体消防あるいは消防団活動、これこそ本来の自治の基本的な形だというふうに考えております。本県は、学びと自治の力で新しい時代を切り開こうというふうにしているわけであります。そういう意味で、この消防の活動をこれからも我々もしっかり発展するように県として取り組んでいきたいというふうに思いますし、また、消防本部、市町村あるいは消防団、消防協会の皆様方ともしっかり連携、協力を図りながら一緒になって県民の皆様方の安全、安心を守っていくように全力を傾けていきたいというふうに考えています。
 以上です。
      

◆荒井武志

 

 ただいま御答弁いただきました。パンフレットをつくって、それを活用していくと。活用するということは、本当に地域にそれが根差したものになると、こういうふうに期待をさせていただきたいと思います。
 それから、消防は自治の基本だという話がございました。ぜひその観点をこれからも大事にしたい、こういうふうに思います。
 次に、市町村内の各地域に自主防災組織があり、諸活動を行っておりますけれども、消防団との任務分担やその組織数など現状はどのようになっているでしょうか。また、自主防災組織に対する県としての支援策はどのようになっておりますか。
 最近の災害から、情報提供や周知の重要性を強く感じております。台風では屋外スピーカーはほぼ聞こえず機能しない。スマホによる緊急エリアメールも限界があるのではないでしょうか。有線放送による宅内スピーカーは捨てがたいものでありましょう。そして、最終的には自治会、隣組ということになるのではと思ったりもします。現状をどう認識し、今後、どのように対応していこうとしているのか。
 以上2点、危機管理部長に伺います。
 続いて、丘陵地の造成やくぼ地、沼地、湿地帯を埋め立て造成した住宅地が各地に存在していると認識していますが、それらの経緯や過去の災害状況が住民にしっかり知らされていない、伝わっていないのではないでしょうか。地勢を含めた歴史学習を自治会単位で行うなど、危険箇所の把握、認識を高める方策を市町村とともに取り組むべきと考えますが、いかがか。建設部長に伺います。
 停電対応をどうするかも重要課題であると考えます。県民にとって身近な県施設である県庁、地域振興局が入る合同庁舎における自家発電装置の整備状況及び今後の整備予定はいかがか、総務部長に伺います。
      

◎危機管理監兼危機管理部長(池田秀幸)

 

 私に対しては2問御質問いただきました。
 最初に、自主防災組織についての御質問でございます。
 大規模災害発生時に被害の拡大を防ぐためには、県や市町村など公助だけではなく、自分の身は自分で守る自助とともに、地域で助け合う共助の力が極めて重要と考えております。自主防災組織は共助のための任意の組織であり、災害対策基本法において、住民の隣保協同の精神に基づく自発的な防災組織として位置づけられております。
 一方、消防団は、消防組織法に基づき市町村に設けられており、両者は防災訓練を共同で実施するなど、ともに地域防災力のかなめとして互いに連携する関係にございます。本年4月1日現在の県内の自主防災組織は3,731組織、80万7,379世帯と県内全世帯の約94%を占める組織率となっております。現在、加入促進と充実のために自主防災アドバイザーの委嘱や自主防災組織のリーダーに対する研修を実施しておりますが、さらに、強化を目的として、アドバイザーなどのネットワーク化を図ってまいりたいと考えております。
 今後も、市町村との協働により自主防災組織の充実強化を推進するとともに、消防団への加入を促進し、地域防災力の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、災害時の情報提供、周知の重要性についての御質問でございます。
 避難勧告などの災害関連情報は、市町村防災行政無線などを用いて住民へ発信されているところでございますが、十分に伝達できていない、大雨の際には音声が聞こえにくいといった課題が指摘されております。これら課題解決のために、市町村によっては個別受信機の整備、登録者向け防災情報メールの配信、エリアメールやSNSの活用といった複数の手段による情報の発信など、ハードとソフトの両輪による情報伝達手段の確保に努めているところでございます。
 一方で、避難勧告などの用語がわかりにくい、情報を受け取っても住民自身の避難につながらないといった課題も指摘されております。そのため、市町村とともに情報伝達手段の整備を推進するほか、県民の皆様に対してわかりやすく正しく伝える情報発信に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、近隣の住民同士で声をかけ合うことで避難を行うなど、市町村と連携して地域の支え合いによる避難体制の構築に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
      

◎建設部長(長谷川朋弘)

 

 宅地造成や危険箇所の把握、認識を高める方策についてのお尋ねでございます。
 大規模な盛り土による造成地について、国土交通省では、地域の住民の理解を深め、宅地の耐震化を進められるよう、平成18年から、市区町村に対し、大規模盛土造成地マップを作成し公表するよう求めております。本年5月時点で、全国の約6割の市区町村が公表している一方、県内では約2割の18市町村にとどまっている状況です。このため、早期にマップを作成し公表するよう県としても市町村に働きかけを強めてまいります。
 同様に、さまざまな自然災害に関して、住んでいる地区の災害の歴史や地名の由来を知り、災害の危険性について把握していただくために、県立歴史館と連携して地域住民への災害伝承への取り組みを実施してまいります。
 以上でございます。
      

◎総務部長(関昇一郎)

 

 県庁、合同庁舎における非常用自家発電設備の整備状況についてのお尋ねでございます。
 県庁と県内10地域にある合同庁舎は災害拠点施設に位置づけられておりまして、災害時にも業務を継続することができるよう、非常用自家発電設備を設置しております。そのうち、県庁と七つの合同庁舎においては、おおむね、既に3日間、72時間稼働できる非常用自家発電設備を備えております。残りの三つの合同庁舎、佐久、松本、北信につきましても、現状で40時間程度稼働できる状況にはありますが、現在施工しております第2次県有施設耐震化整備プログラムにより、耐震改修工事の中で改修を現在進めており、来年度中には72時間稼働可能な設備が整備される予定となっております。
 以上であります。
      

◆荒井武志

 

 答弁いただきました。声をかけ合う体制づくりにも取り組んでいくというお話をいただきました。ぜひ地域でもそれを実践できるように取り組んでいただきたい、こういうふうに思うところでございます。
 次に、松くい虫対策についてであります。
 マツノマダラカミキリがマツノザイセンチュウを運び、発生拡大している松枯れ被害は、昭和56年に確認されて以降、各種の防除対策を行ってきたにもかかわらず、平成25年に7万8,870立方メートルの被害を最高に、以降微減をするも7万3,000立方メートルを超える高いレベルで推移しております。27年度には塩尻市で確認され、51市町村が被害地域となっています。去る9月30日の信濃毎日新聞によれば、塩尻市と箕輪町で捕獲されたカラフトヒゲナガカミキリの体内からマツノザイセンチュウが検出されたと報道されました。カラフトヒゲナガカミキリは、より冷涼な場所に生息することから、標高800メートル以上の地域にも広がる可能性を含め、県林業総合センターが詳しい調査を始めていると報じておりますし、昨日もそのようなことが表明されました。
 一方、私たち会派では、九州の虹の松原や幣の松原を調査し、空中散布を含めた防除対策や計画的な植林事業を通じ、着実に松林を守り育てている姿を目の当たりにしてきました。
 これらを踏まえ、以下5点について林務部長に伺います。
 一つに、松くい虫発生地域の現状と今後の予想、見通しはいかがでしょうか。
 二つに、松くい虫被害の最先端地域を食いとめるための取り組みをこれまでどのように行ってきたでしょうか。食いとめられている成果はいかがでしょうか。
 三つに、松くい虫枯損木の処理状況と課題、今後の対処策をどのように進めていきますか。
 四つに、抵抗性松の育苗、植林への方向性はいかがでしょうか。
 五つに、松くい虫被害の蔓延の未然防止と防除対策を適正かつ円滑に実施し、関係者との連絡調整を図り、松林の保護育成を総合的に推進するため、長野県松くい虫防除対策協議会が設置されていますが、その取り組み状況はいかがでしょうか。
 次に、知事に伺います。
 長野県の森林の豊かな緑を取り戻し、生かしていくために、今後どのように取り組んでいこうとしておりますか。御所見をお伺いいたします。
      

◎林務部長(山﨑明)

 

 松くい虫対策で5点御質問をいただきました。
 初めに、被害の現状と今後の予想、見通しについてのお尋ねでございます。
 議員の御指摘にもございましたが、松くい虫被害は、昭和56年の被害発生以来、区域の拡大に伴い被害量が増加し、平成29年度には7.4万立方、被害市町村で51となっており、近年、甚大な被害が高どまりの状況にございます。特に被害が拡大した地域としては、対前年度比で松本地域が130%、北アルプス地域が115%で、松本盆地の南北で被害の拡大が顕著となっています。なお、その他の地域については、前年度比で80から90%の被害状況となっております。
 県では、今年度から、松くい虫被害対策の見える化としてマップを作成中ですが、そこから読み取れるのは、主に標高800メートル以下かつ市街地や高速道路など主要な道路に面した松林を中心に被害が拡大している状況がわかっております。今後も、このような条件のところでは、最近の夏季の高温化の影響もあり、被害の継続、拡大は予断を許さない状況と考えています。
 次に、最先端地域での取り組みと成果についてのお尋ねです。
 県内では、上伊那、木曽、北アルプスの北部、諏訪地域周辺などが被害先端地域となっており、これらの地域では、市町村や地域の被害対策協議会が主体となり、被害拡大防止のためさまざまな対策を行っており、県としても拡大防止のための技術支援のほか、国庫補助の活動などの支援、指導を行っております。具体的には、被害の拡大を防止するため、防除ラインを設定し、被害木の監視を強化し、早期発見、早期駆除の徹底を図るとともに、現地の条件に応じて空中薬剤散布と伐倒駆除、計画的な樹種転換を組み合わせ、対策を進めております。
 最先端地域での具体的な取り組みの成果としましては、松川村や箕輪町において実施されている計画的な樹種転換により、被害地域の拡大防止や被害量の抑制につながっている事例がございます。また、徹底した伐倒駆除と空中薬剤散布を組み合わせて効果を上げた事例としては、過去には長野市において最大の被害量となった平成6年の被害量を5年間で当初の1割程度にまで抑制した例がございます。
 続いて、松くい虫枯損木の処理についてのお尋ねです。
 枯損木の処理は、平成27年度から29年度までの3年間で、松くい虫対策事業、造林事業による伐倒駆除を10万6,000立方余実施しており、また、造林事業における樹種転換、高速道路沿線等の枯損木を伐採するライフライン対策の治山事業等を組み合わせて、102.85ヘクタールを実施し、被害林の再生を進めています。
 また、伐倒駆除と空中薬剤散布を併用することにより被害拡大を抑制する効果が高くなるため、空中散布への理解を促すために県民の皆さんへの丁寧な説明が行われるよう、県防除実施基準の内容の充実と徹底を図っています。
 さらには、枯損木の資源化を図るため、平成29年度には枯損木の木質バイオマス利用の実証モデル事業を県内2カ所で実施しております。その結果、3年程度経過した枯損木であってもバイオマス発電用のチップとして有効に活用できることが確認できた一方で、枯損木の伐採に当たっては、大型機械の使用等により効率性と安全性を確保する必要がある等の課題もわかっております。
 今後は、森林づくり県民税を活用して被害木を木質バイオマスとして利活用する取り組みの普及定着を図るほか、地域住民の皆さんがみずから行う里山再生の取り組みへの支援を行い、松くい虫枯損木対策への対処を進めてまいります。
 次に、松くい虫に抵抗性のあるアカマツの苗木についてのお尋ねでございます。
 松くい虫に抵抗性のあるアカマツにつきましては、これまで国の林木育種センターにおきまして幾つかの品種が選抜されております。県といたしましては、平成16年度から、林業総合センターにおいて、この選抜された抵抗性品種の中から長野県の気候風土に適した品種の評価、検証を進めてまいりました。その結果を踏まえ、本年度から種子の採取を行い、試験的な育苗が開始できる段階となっております。
 一方で、抵抗性等の品質が確保された苗木の量産に向けては、均質な品質を保つ必要があり、まとまった面積の植林が可能となるまでには数年かかる見通しでございます。
 最後に、防除対策協議会の取り組み状況についてのお尋ねです。
 長野県松くい虫防除対策協議会は、松くい虫被害の蔓延の防止と、防除対策を円滑に実施し、関係者との連絡調整を図り、松林の保護育成を総合的に推進することを目的として、議員御指摘のとおり、本県に最初の松くい虫被害が確認された昭和56年に設置しております。
 この協議会は、松くい虫被害防除対策のための県の防除実施基準の策定あるいは変更に関する協議、被害材の有効利用など、松くい虫防除対策全般について幅広く御意見をいただく場となっております。近年の主な活動としては、松くい虫対策における農薬の空中散布に対する県民の皆様からの健康不安の声を受け、平成23年11月に県が策定した「松くい虫防除のための農薬の空中散布の今後のあり方」に基づく長野県防除実施基準の改正、さらに、平成27年度には、化学物質に対して感受性の高い方などへの配慮のほか、情報や意見の交換によるリスクコミュニケーションへの取り組み等について、長野県防除実施基準を補足する運用通知を作成する際に協議会の助言を得ているところでございます。
 以上でございます。
      

◎知事(阿部守一)

 

 私には、森林の豊かな緑を取り戻し、生かしていくために今後どう取り組んでいくのかという御質問をいただきました。
 本県の県土の8割を占める森林は、土砂災害や地球温暖化の防止等の機能、さらには木材供給の機能など、多面的な役割、機能を果たしております。
 一方で、近年、荒井議員御指摘のように、松くい虫によります松枯れの拡大等によりまして森林の荒廃が進行している地域があり、防災だけではなく景観の観点からも問題があるというふうに認識をしております。こうした荒廃森林に対しましては、崩壊の危険度などを総合的に考慮しながら森林の再生を進めてまいります。
 また、森林づくり県民税を活用し、地域住民の皆さんがみずから行う里山の整備あるいは利活用への取り組みの支援や景観形成のための森林整備の取り組みなど始めているところでございます。
 今後とも、こうした取り組みを積極的に進めることによりまして、緑豊かな森林を健全な姿で次の世代に引き継ぐべく取り組んでまいります。
 以上です。
      

◆荒井武志

 

 答弁をいただきました。松くい虫被害に対する防除対策はこれからも着実に取り組んでいかなければなりません。知事は、10月20日、上田市で松くい虫被害と総合的な対策について県政タウンミーティングを開催するとお聞きしております。防除対策における空中散布のあり方なども意見交換されるものと思います。これが今後への大きなステップになることを期待するところであります。
 また、東京オリンピック・パラリンピックが2年後に開催されますけれども、外国人訪日客がインバウンドで鉄道や高速道路を利用して大勢長野県を訪れるものと思いますが、赤茶けた森林、山肌ではなく、目にも心にも潤いが満ちてくる、そんな緑豊かな大自然が多くの来訪者をお迎えできるよう切に期待をしまして、私の一切の質問を終わります。