平成30年6月定例県議会 発言内容(今井愛郎議員)


今井愛郎

   

 信州・新風・みらいの今井愛郎です。

 通告に従い順次質問をさせていただきます。
 6月13日、成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法は参議院で可決され、140年ぶりに成人年齢が見直されることになりました。改正法は、現在の中学2年生が高校3年生になる2022年4月から施行されますが、高等教育現場にさまざまな影響を与えると思われます。
 例えば、今までは、未成年ということで、退学届、バイト、進路指導、免許取得など親の同意や校則によって制限を設けることができましたが、これからは制限が厳しくなると思われます。また、ローン契約では、未成年者取消権が行使できなくなることから、成人教育の必要性が増してくると思われます。
 今回の改正で高校教育現場で取り組むべき諸課題は何なのか。また、その課題解決に向けてどのように対応していくべきとお考えか。教育長にお尋ねします。
 続いて、公文書管理についてお尋ねいたします。
 6月1日、東京記者クラブで、公文書法制定の中心人物、福田元総理大臣へのインタビューがあり、その様子をユーチューブで拝見させていただきました。元総理は、何よりもリーダーが公文書をどのように思っているかが大切であるとおっしゃっていました。
 そこで、以下5項目、阿部知事にお尋ねいたします。
 一つ目、根本的なことをお尋ねいたしますが、公文書を残す必要性についていかがお考えですか。
 二つ目、長野県は、千曲市の歴史館に公文書館機能を有していますが、知事が考えている公文書を残す必要性から鑑みて、現状の施設規模、人員配置は十分とお考えですか。
 三つ目、長野県の公文書の保管方法等を定めた長野県文書規程ですが、現在のところ罰則規定はありません。国は、懲罰指針の明記化、管理強化、電子決裁化の推進等を検討しているようですが、長野県としてどのような対応が必要とお考えですか。
 四つ目、毎日新聞社が全国の知事に行ったアンケートによれば、メールを公文書として扱うか否かは意見が分かれているようです。メールの扱いについていかがお考えでしょうか。
 五つ目、公文書管理法では、対象の文書を、職員が組織的に用いるものとして行政機関が保有しているものと定義している一方で、公務に関係して作成したメモなども公文書であり、手控え等にすべきではないという意見もありますが、いかがお考えでしょうか。
      

◎教育長(原山隆一)

 

 民法改正に伴う高校教育現場への影響についてというお尋ねでございます。
 投票年齢の引き下げに続いて、成人年齢が引き下げられるということは、若者の社会参加や自立促進につながるものというふうに考えております。
 昨年3月に策定した学びの改革基本構想では、生徒一人一人が新たな社会を創造する力を身につけることを本県独自の目標として掲げたところでもあります。学校現場では、信州学やさまざまな教科の学習において既に探究的な学びに取り組んでおります。生徒がみずから問いを立てて、主体的かつ共同的に学んでいるところでもございます。
 したがって、今回の成人年齢引き下げをポジティブに受けとめ、探究的な学びを一層追求する中で、自立した人間として主体的に判断できる生徒の育成を目指してまいりたいというふうに考えております。もちろん、主権者教育が必要であるように、成人として必要となる知識は確実に身につけるべきであり、消費者教育、あるいは金融教育などを充実し、大人としての自覚と責任感が備わるようにしてまいりたいというふうに考えております。
      

◎知事(阿部守一)

 

 公文書の管理に関連しまして5点質問をいただきました。
 まず、公文書を残す必要性でございます。
 公文書を適正に管理、保管して公文書公開を積極的に推進していくことは、県の諸活動を県民の皆様方に説明する責務を全うし、県政に対する県民の皆様の理解と信頼を深め、県民参加の公正で開かれた県政の推進に資するものというふうに考えております。
 次に、歴史館の規模、人員配置についてでございます。
 県立歴史館は、歴史的資料の収集、保管、情報提供等を行う博物館でありまして、歴史的価値のある公文書の収集、保管等を行う公文書館機能も有しております。歴史館の書庫は、約9万冊を収納できる規模でありますが、現在9割程度を使用している状況にありまして、今後10年ほどで満杯になる見込みでございます。また、行政嘱託を含めて3名の職員が古文書の収集、保存等の業務も兼ねながら公文書の収集、保存等を行っております。限られた体制の中で職責をしっかり全うしていただいているというふうに考えております。
 次に、国が懲罰規定等を検討していること、あるいは電子決裁化の推進等についての県としての考え方ということでございます。
 公文書の不適正処理につきましては、懲戒処分の対象となり得るものであります。必要な場合には厳正に対処していきたいというふうに思っております。
 また、電子決裁等の推進につきましては、一昨年度から取り組みの強化を図り、利用率も伸びてきておりますが、引き続き利用促進に努めて、さらに利用率を伸ばしていく必要があるというふうに思っております。
 公文書の管理につきましては、まず私自身が現状をしっかり把握していきたいと思いますが、適正管理の徹底を図っていくということが重要だというふうに思っております。そういう観点で、ルールの見直しも含め、そのあり方を検討していきたいというふうに考えております。
 次に、電子メールの公文書性についてでございます。
 平成19年度に、長野県情報公開審査会から、電子メールの内容、利用実態に応じて、公文書性を個別に判断する必要があるという意見をいただいております。電子メールにつきましても、組織的な利用、管理等の要件を満たせば公文書となるものというふうに考えております。
 メモ等の公文書性についてということでございます。
 本県におきましては、私的メモとして作成された文書も、組織的な利用に供された場合は公文書として取り扱うなど、情報公開条例に基づき適正な運用を図ってきたところでございます。毎年、職務上作成される文書は膨大であります。職員が自己の便宜のために作成したメモまで公文書として取り扱い、全て保存していくということは現実的ではないというふうに考えております。
 以上でございます。
      

◆今井愛郎

 

 民法改正に関連して再質問させていただきたいと思います。
 高校教育現場における課題というのはまだまだこれからなのかなと思いますけれども、高校生に関連して言わせていただきますと、市町村主体の成人式が大きな問題になるのではないかと思います。多くの市町村は1月に成人式を実施しておりますが、受験生の1月成人式の出席は無理ではないでしょうか。また、高校生は市町村を越えて通学しており、成人式のあり方を市町村任せにしては高校生に混乱を生じさせる可能性があると思います。県教委が中心となって、18歳成人式をどうすべきか市町村と調整すべき必要があると考えますが、いかがお考えか。教育長にお尋ねします。
 また、公文書に関連して何点か阿部知事にお尋ねいたします。
 必要性について、知事は説明責任等々の話をされましたが、国立公文書館の方は、公文書を積み重ねることが行政の歴史、すなわち石垣を築くことであり、その文書が有用か無用かの判断は後世の方々がすることなので可能な限り保存をすべきとおっしゃっていたが、このことについていかがお考えでしょうか。
 二つ目、公文書廃棄の判断は、国立公文書館、神奈川県立公文書館とも、起案者や管理部署ではなく、第三者的立場の職員の方が行っており、本日の新聞にもありましたが、将来的にはアーキビストを育成していく必要があるともおっしゃっていましたが、このことについてはいかがお考えですか。
 三つ目、廃棄文書から保存すべきと判断されたものだけを保存している県の公文書館も、あと数年で満杯になります。県庁や現地機関の庁舎内にも公文書が多く保存されていることを考えると、公文書を専門に保存していく施設を建てろとまでは言いませんが、有効活用する施設はないでしょうか。いかがお考えですか。
 四つ目、福田元総理は、懲罰を強化すると余計に文書を残さなくなる。間違いを起こしたことも後世に伝えることが公文書の意義であることや、公文書を残すことは職員自身の保身にもつながることなど、しっかりと職員教育をすべきと言われたが、いかがお考えですか。
 五つ目、県の補助金関係書類の保管期間はおおむね5年です。少し短い気がします。法人税の会計帳票類は、たび重なる税制改正を経て、今年度以降は10年の保存が義務づけられています。また、民法の不法行為による損害賠償の請求権は最大20年ですが、立証責任が原告側に課せられます。補助金対象の裏づけ資料等を5年で廃棄しては、原告側の立証を困難にすることになり、せめて民法上の時効が成立するまで保管すべきと考えますが、いかがでしょうか。
      

◎教育長(原山隆一)

 

 18歳成人式についてのお尋ねでございます。
 県内の成人式の開催は、各市町村が参加者の集まりやすい日程や内容を考慮して実施されておりまして、昨年12月に実施した成人式の実施予定調査によりますと、分散開催している市町村も含めまして、一番多いのが8月実施で44市町村、次いで1月実施が33市町村、5月実施が2市村というふうになっております。
 実際に改正民法が施行されるのは2022年4月でありますので、それに向けて、ことし12月にも実施する予定のこの成人式の実施予定調査におきまして、各市町村がどのように対応しようとするのかを調査いたしまして、必要な情報の共有を図ってまいりたいというふうに思っております。
      

◎知事(阿部守一)

 

 公文書管理に関連してさらに5点御質問をいただきました。
 まず、公文書の保存の判断ということであります。
 公文書を可能な限り保存するという観点ももちろんあるかと思いますが、私は、むしろ後世の皆さんが活用しやすい、わかりやすい形で残すということもより重要ではないかというふうに思っております。決裁文書が私のところに来たときに、時折突き返しております。要するに、5年後、10年後にこの文書を見た人がどういう考え方でこういう方針決定をしたのかということをわかるようにしてほしいと。必要な資料もちゃんと決裁文書にとじてほしいということで指示をさせていただいております。
 整理されていない文書が多く保存されているよりも、その当時の、例えば私であれば知事の判断の考え方ということがわかる形でしっかり残すということがより重要ではないかというふうに思います。そういう意味で、この文書管理のあり方ということについては、いま一度我々自身がしっかりと考えていく必要があるというふうに思っております。
 それから、アーキビスト育成の必要性ということであります。
 国においても、大分このアーキビスト育成等に向けた動きが出てきているようでありますので、そうした動きを我々もしっかり把握をしていきたいというふうに思います。県立歴史館の担当職員は、国立公文書館主催のアーカイブス研修の受講等により専門性を高めてきておりますけれども、各部局の文書主任等の文書業務にかかわる人間が、やはり文書管理の必要性やどういう形で取り組むかということを認識してもらうということが必要だと思いますので、これは県職員の研修等においてもしっかり徹底をしていくということを考えていきたいと思います。
 それから、施設でございます。
 歴史館、あるいは県庁、そして現地機関の文書庫も、いずれ収容能力が限界に達してくるというふうに考えます。必要なスペースをどうレイアウトして仕事しやすい環境にするかということも重要でありますので、この公文書の保管のあり方については、先ほど申し上げたように、公文書管理のあり方を幅広く検討していきたいと思いますので、そうした中で検討を行っていきたいと思います。
 それから、職員教育は、先ほど少し触れさせていただきましたけれども、現在でも初任者研修の段階から、公文書の意義、あるいは公文書の作成、廃棄等のルール、文書管理システムの活用、こうした研修を行ってきておりますが、さらに充実をしていく必要があるというふうに思います。
 それから、最後に文書の保存期間でございます。
 これにつきましては、文書規程の保存期間の基準におきまして、時効完成まで証拠として保存する必要がある公文書は、時効期間を考慮した保存期間とするよう定められており、補助金交付に関する書類につきましては、自治法の規定する金銭債権の消滅時効を前提に5年以上の保存期間としており、また、住民訴訟が提起された場合には、訴訟に関する公文書は当該訴訟が終結するまでの間、その保存期間を延長するよう定められているところであります。
 ただ、先ほど申し上げたように、公文書管理のあり方については全体的によく考えていく必要があるというふうに思いますので、この保存期間の設定のあり方についてもあわせて検討を行っていきたいというふうに思います。
 以上でございます。
      

◆今井愛郎

 

 成人式につきましては、実はまだ19歳の方もいらっしゃいます。そういうはざまになる方々も含めて、まずその人たちの教育を早目に手をつけないと、抜けてしまう年代があってはいけないと思いますので、その辺もぜひこれからの課題としてやっていただきたいと思います。

 そしてまた、公文書については、積極的な取り組み、これから見直しもしていただけるということで、ぜひ期待を申し上げたいと思います。
 さて、大北森林組合の再建に向けた取り組みを、以下、林務部長にお尋ねしてまいりたいと思います。
 県は、6,748万円余の損害賠償請求を行いました。この請求をもって大北森林組合に対する補助金返還請求、損害賠償請求は全て終了したということでよろしいか、確認しておきます。
 続いて、大北森林組合の総代会が5月29日に終わりました。県は最大の債権者である一方、森林県から林業県になるために最大の支援者にもならなければならないと思います。議案等に関連して、7項目、引き続き林務部長にお尋ねします
 一つ目、重要な後発事象として、3月8日付で元専務理事の身元保証人から265万1,286円の入金があったとあります。この取り扱いについてどのような説明を受け、どのように処理するよう協議していますか。
 二つ目、4号議案で、不正受給があった平成19年から25年までの非常勤理事、非常勤監事の組合に対する賠償責任を免除する議案が提出されています。対象者の返納総額は1,690万円とのことですが、既返納済額は1,015万円で、役員報酬の辞退分も含まれるとされています。このような方法が法的に問題がないか確認しておくとともに、追加返還額をどのように取り扱うか協議されていますか。
 三つ目、今回の議案には、元代表理事の取り扱いが記載されておらず、基本方針でも早期にけじめをつけると記載されていますが、組合とどのような協議を続けていますか。
 四つ目、事業計画の基本方針で、仮に県から損害賠償請求が行われれば、その請求の減額または配慮を求めると記載されていますが、県は、総会が終了した2週間ほどの6月11日に求償関係が生じない範囲で損害賠償請求を行っております。組合の運営方針に対していかがお考えでしょうか。
 五つ目、出資金については、2月の一般質問で御答弁をいただいたとおり、一定の前進があり、評価したいと思いますが、残念ながら今回も賦課金についての記載がありません。役員の責任はもちろんですが、組合組織である以上、県に損害賠償金の減額や配慮を求める前に、組合員に経営健全化に向けた協力を仰ぐべきと考えますが、いかがお考えですか。
 六つ目、昨年、補助金返還計画の見直しが必要ではないかと指摘させていただきましたが、今は集中改革期間であり、必要性を感じていない旨の答弁をいただきました。しかし、損害賠償請求を行ったことで返還総額もふえたわけで、補助金返還計画の見直しが必要と考えますが、いかがお考えですか。
 七つ目、組合の事業計画でも、人材確保、育成が急務な課題とされています。先日、諏訪地域の高校生向けの就職説明会に参加したリクルーターの方が、高校生に、賞与込みですが20カ月分の給与を提示している会社があると聞きました。当分超売り手市場が続くのではないかと思います。3月に行われた第5回林務部改革推進委員会でも指摘されたように、森林県から林業県になるためには、発想を変えた林業従事者への大胆な支援など政策転換の必要があると考えますが、いかがお考えでしょうか。
      

◎林務部長(山﨑明)

 

 全体で8点お尋ねをいただきました。順次お答えいたします。
 初めに、大北森林組合に対する補助金返還請求、損害賠償請求についてのお尋ねでございます。
 大北森林組合への請求は、平成29年9月12日に公表した大北森林組合等補助金不適正受給事案に係る損害賠償請求についての対応方針に基づき行っており、本年6月11日付の請求で県が行うとした全ての請求を行ったことになります。
 続いて、元専務理事の身元保証人からの入金についてのお尋ねでございます。
 この身元保証人からの入金についてですが、大北森林組合では、事案に係る責任のあり方について、法的検討、調整を行った結果、元専務理事の損害賠償義務に係る身元保証債務の解決金として、身元保証人と和解し、入金があったものであると説明を受けております。
 大北森林組合が作成した補助金等返還計画では、元専務理事からの損害賠償金などについては、より多くの金額の確保を図り、追加の返還財源とすることとされております。このため、今後とも、組合において、元専務理事からさらなる支払い額の確保に努めるとともに、効率的な事業実施の取り組みや収入の確保を図ることにより、組合の安定的な事業運営に必要な資金を確保した上で、補助金等返還計画を上回る返還に努めるよう適切に指導してまいりたいと考えております。
 次に、非常勤理事、非常勤監事の組合への報酬の返納についてのお尋ねでございます。
 非常勤理事、非常勤監事につきましては、役員の責任の明確化を求めるため、森林組合法の規定により損害賠償請求を免除できないとされる額である、理事については報酬4年分、監事については報酬2年分に相当する額を自主的に返納するよう組合が要請しているところであります。その上で、返納に応じた者についてはそれ以上の責任を求めない旨の議案を30年5月の通常総代会で組合は議決したところでございます。
 今回の返還要請及び議決については、役員の責任を明確化するために法律の専門家の意見を踏まえ進めており、法的には問題ないものと考えております。組合では、返還額については経営基盤の強化に充てたいと聞いており、県としては、組合の理事会への出席などを通じ、組合の運営状況を適切に把握するとともに、今後とも経営等の指導をしてまいりたいと考えております。
 次に、組合の元代表理事への対応についてのお尋ねでございます。
 大北森林組合からは、元代表理事の役員の責任の明確化を図るため、森林組合法の規定により損害賠償請求を免除できないものとされる額である6年分の報酬額を超える額の返納を請求し、交渉中であると聞いております。組合では、返納額が確定したところで、他の役員と同様に速やかな返納金の確保を図っていくこととしているところでございます。
 次に、大北森林組合の事業計画の基本方針についてのお尋ねでございます。
 大北森林組合への請求は、平成29年9月12日に公表した対応方針に基づき、関係者相互間においてできる限り求償関係を生じさせないよう対応することとしております。現時点での請求額につきましては、適正な額であると認識しており、今後、組合から要請等がされた場合には、その内容を精査し、対応を検討してまいる所存でございます。
 次に、組合員に経営健全化に向けた協力を仰ぐことについてのお尋ねでございます。
 組合では、賦課金の徴収につきましては、組合員一律に課すことになるため、まずは増資について組合員の理解を得ていくことを優先する意向とのことでございます。このため、組合では、30年5月の通常総代会で組合の経営基盤安定のための増資等計画について説明し、平成32年度までの集中改革期間中に組合員に1人1万円を目標とする増資を求めたところであり、今後、目標達成に向け、組合員への協力依頼に取り組むこととしていると聞いております。
 次に、補助金等返還計画の見直しについてのお尋ねでございます。
 大北森林組合では、平成29年1月に補助金等返還計画を策定したところであり、これまで計画どおりに返還が行われております。一方、6月11日に組合に対して損害賠償請求を行ったところですが、現時点では、この損害賠償請求額について組合が債務を認めている状況ではないことから、今後の動向を注視していく必要があると考えております。補助金等の確実な返還に向けましては、組合が地域の森林林業の中核的存在として再生することが不可欠であることから、県として、今後とも必要な指導、支援の両面からしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、林業人材の確保育成に向けた取り組みについてのお尋ねでございます。
 大北森林組合を含め、森林組合や林業事業体が地域の森林整備を推進するに当たり、議員に御指摘いただきましたとおり、人材の確保と育成は極めて重要な課題の一つであると認識しております。このため、長野県林業労働財団とも連携し、就業希望者への就職説明会の開催やトライアル雇用への支援、能力向上に向けた研修の実施、事業体に対する育成経費への補助等の支援、さらには県森林組合連合会と連携した経営改善指導等を行っているところでございます。また、林業が他産業に比べても平均所得が低く、災害の発生率が高いといった実態がございますので、こうした実態を踏まえ、事業体の生産性向上や安全性の向上に向けた支援も取り組んでいるところでございます。
 これに加えまして、森林資源が利用期を迎えた中では、すぐれた経営感覚を持ち、地域林業を牽引する人材の確保が必要となっていることを踏まえまして、林業人材育成の拠点である林業大学校をさらにグレードアップし、周辺関係機関と連携を強化することで、全国的な人材育成等の拠点としていく方向で現在検討を進めているところでございます。
 以上でございます。
      

◆今井愛郎

 

 大北森林組合については、まだまだこれからいろいろとあると思いますし、やはり県民が特に注視しているところだと思います。引き続き注視し、県がしっかり管理していっていただきたい、そんなことをお願い申し上げて、最後に、今までの答弁を踏まえて知事にお尋ねしたいと思います。
 33年かけて組合が返すと言っているのだからそれを信じたいという知事の答弁が過去にあり、その気持ちはよくわかりますが、集中改革期間中とはいえ、組合の経営は計画どおり進んでいるとは言えないのが実態だと思います。幾ら知事が森林県から林業県へとPRしてみても、大北森林組合の問題が解決するまでは県民がそれを実感できるものではないと思います。
 そもそも、今の返還計画には、加算金、延滞金が加味されてないわけで、完済したとしても33年後には問題が残るわけです。また、万が一返済の途中で組合が計画どおりに返済できないような事態が起これば、森林行政に対する県民の信頼が再び失墜することは火を見るより明らかです。
 先日の損害賠償請求をもって林業県へのスタートを切るためにも、組合員からの賦課金徴収を行うこと等を条件に、不正受給総額約14億5,000万円から、検証委員会委員において時期や内容が不適切であったものの森林整備が一定程度実施されたとされている約9億円を免除した約5億5,000万円と、今回の請求額約6,500万円を合わせた6億1,500万円を求めていくなど現実的な返還請求額を算定すべきと考えますが、知事はいかがお考えですか。
      

◎知事(阿部守一)

 

 大北森林組合に対する補助金の返還請求額を減額してはどうかという御質問でございます。
 この事案につきましては、私は、県知事という立場で、全ての県民の皆様方の代表であるということを念頭に置きながら最大限損失が縮小されるように取り組んできているところでありますし、この間、それぞれ補助金の返還請求であったり、損害賠償の請求であったり、懲戒処分であったり、刑事告発であったり、県民の皆様方の県政に対する信頼をしっかりと回復できるように法にのっとって厳正に対処してきたところであります。
 補助金につきましては、法的に最大限可能な返還請求を行って、組合側もこれを認めているわけであります。昨年策定した補助金等返還計画に基づく返還に取り組んでいただいているところでございます。損害賠償請求につきましては、昨年9月の対応方針に基づきまして組合に対して6月11日に請求を行わせていただいたところであります。これらは法的には適正な額であるというふうに考えております。
 組合には、再建にしっかりと取り組んでいただき、着実に補助金等を御返還いただくということが県民の皆様方全体にとっての利益に資するものだというふうに考えております。
 以上です。
      

◆今井愛郎

 

 知事の気持ちはよくわかるんですが、やはり現実的なことをやる、これもひとつトップとしての判断が必要ではないのかなと私は思います。特に、前にも申し上げましたが、33年後に仮に何かある、あるいは20年後に何かあるということになっても、この中にいる方は誰もいない可能性のほうが多いわけで、やはり責任があるときに責任があった人がそれに立ち向かうことも私はリーダーに求められる資質じゃないのかなと思います。
 また、一つ林務部長にお願いしておきます。
 先ほどの中で、損害賠償請求をしたものについては経営基盤に充てるというお話がありました。確かにそれも大事ですが、やはり県民感情としては、賠償したものは幾らかでも県に余分に入れていただく、そんな指導をしっかりしていただくようお願い申し上げまして、一切の質問を終わります。ありがとうございました。