平成29年9月定例県議会 発言内容(竹内久幸議員)


◆竹内久幸

 

 通告した質問に入ります前に、1点だけ知事に確認をさせていただきたいと思います。

 先ほどの小林東一郎議員の質問の中で、住民監査請求について内容を全く承知していない旨の答弁がありましたけれども、9月26日付の監査委員事務局からの通知によりそれを知り得たはずであり、再度そのことについて答弁をお願いいたします。
      

◎知事(阿部守一)

 

 いささか不明確な御答弁で竹内議員の質問の時間を使わせてしまって大変恐縮でございます。
 御指摘の住民監査請求については、御指摘のとおり、監査委員から私宛て、9月26日付で請求要旨ということで連絡をいただいております。しかしながら、現時点におきまして、その内容については、報告を私のところでは受けていないということで、承知していないということを申し上げたところでありまして、監査委員から私宛ての通知は出ているという状況でございます。
 以上です。
      

◆竹内久幸

 

 わかりました。小林東一郎議員の質問の趣旨は、その住民監査請求が出ている中に、いわゆる当該加算金の支払いについて知事や幹部職員に対する損害賠償請求を怠っているという中身でありまして、ということは、今議会に知事が出されておりますいわゆる特別職の給与の削減の条例、これがもし可決されることになるとかなり影響がでかいという趣旨を申し上げているわけでありまして、そこのところはよく考えて行動をいただきたいということをまず冒頭申し上げて、質問に入りたいと思います。
 今回の大北森林組合問題での県職員の損害賠償請求に関連し、県職員に関する損害賠償請求の監査結果について、田口代表監査委員に伺います。
 大北森林組合問題をめぐり国に返還した補助金のうち、加算金約3億5,000万円について関係職員に対し損害賠償すべき等の住民監査請求が行われたのに対しまして、監査委員は、賠償責任が認められる職員に対しては厳正に対処するとともに、検討の結果について県民に説明すること等の結果を報告をいたしました。
 しかし、平成22年に、当時、会計検査院の指摘により全国的に問題となった不適正な事務費の経理処理等に対する加算金も含む国等に返還した約9,200万円余について、関係職員等に損害賠償を求めるべきとの住民監査請求に対し、当時の監査委員は、会計検査院の指摘に係る事務費の支出については職員の私的流用や着服等の不正行為はなかったことから、県が支出にかかわった職員等に法的に賠償させなければならない損害が発生しているとする事実は認められなかったとして、賠償請求を行う法的根拠がないとしてこのときは棄却しています。
 7年前の監査結果ではありますが、このときの訴えは今回とほとんど同じ内容であり、なぜ今回は違った結論を出したのかの説明責任が果たされておりません。そこで、今回の監査に当たって平成22年に出された住民監査請求との比較検討は行われたのか伺います。
 次に、公共交通について、まず県内幹線高速バスの存続対策について伺います。
 昨年9月30日をもって千曲バスが運行していた佐久長野の高速バスが廃止となりました。また、アルピコ交通が運行する長野松本間の高速バスも、昨年4月、2便減便となりました。いずれも、その原因は採算性や運転手不足に起因すると思われます。
 このうち、佐久長野間の高速バス廃止までの過程では、県は、存続に向けて一定の費用負担も決断いただく中で、千曲バスや沿線自治体への存続に向けた働きかけを行っていただきましたが、足並みがそろわず断念した経過があります。
 しかし、広い本県にとって、県内をつなぐ高速バスは重要な生活幹線ですが、このまま対策をしなければ、現在でも厳しい状況の中で何とか路線や本数を維持している信南交通や伊那バスなども含め、県内を結ぶ高速バスの運行が廃止されたり、減便される可能性が高まっていると思います。
 そこで、知事に、本県にとって県内各地を結ぶ高速バスの存在は必要不可欠ですが、千曲バスの佐久長野間の廃止等を教訓として、今後具体的にどのような取り組みを行うのか伺います。
 次に、県内共通の交通系ICカードの導入について伺います。
 私は昨年の2月議会で、利用者の利便性を高め、公共交通の利用促進のため、電車も含めた県内共通のICカードの導入について質問をいたしましたが、企画振興部長は、交通系カードの普及に向けた検討を進めたいと答弁しております。
 そこで、その後どのような検討を行ったのか、また、利便性の高いJR東日本のSuicaカードとの相互利用を求める要望が強くなってきていますが、これまでのJRとの交渉の状況と課題、今後の見通しについて企画振興部長に伺います。また、あわせて、いつごろまでに整備をする予定なのか、その決意を伺います。
 次に、信濃美術館について県民文化部長に伺います。
 信濃美術館の整備については、館長予定者や設計者も決まり、整備室を中心に着々と準備が行われていることに敬意を表します。
 さて、信濃美術館の整備、準備については、優秀な学芸員の方々の先行した確保を行い、一緒に美術館整備や運営を準備することが必要であり、必須の課題であることをこれまでも申し上げてきましたが、ことし4月より学芸課長職が配置され、学芸員は3名の正規職員と経験豊かな嘱託職員1名などの体制となりました。しかし、開館時の企画を準備するには最低限3年は必要と言われていることを考えれば、さらなる学芸員の増員と他のスタッフの採用計画を早期に具体化し、確保する必要があります。そこで、今後の計画について伺います。
 また、県民に親しまれ、愛される美術館とするためには、広く民間や県民に寄附等を呼びかける取り組みも必要であることを申し上げ、この問いに、知事は、多くの県民、企業を初め広く民間からの資金的な支援が得られるよう、他県あるいは海外の事例も参考としながら具体的な方策を検討したいとされてきましたが、今後の取り組みについて伺います。
 次に、信濃美術館の設計につきましては、設計プロポーザルにより最適候補者が決まり、現在、県民の皆様の多様な意見や要望を設計者が直接お聞きし、県民の皆さんと対話を重ねながら設計案をまとめるとして、県民リレー・ワークショップが開催されています。
 既に地区別の4地区が終わり、利用者別で予定していた5回のうち4回が終了していますが、出された意見の概要を拝見しますと、設計者と直接対話し意見が言える取り組みを評価する声が多く、また、出される意見も多く、しかも多岐にわたっています。大変よい取り組みだと私も評価いたします。
 しかし、美術館などの設計者はとかく個性的な方が多く、自分自身の色を強く出される傾向があり、県民から出された意見がどのように設計に反映されたのか、後になってこんなはずではなかったというようなことにならないか心配な面もあります。そこで、今回のワークショップで出された意見を県としてはどのように設計に反映することにしているのか伺います。
 次に、「脱ダム宣言」のその後について、建設部長に伺います。
 平成13年2月の突然の「脱ダム宣言」から16年が経過いたしました。当時中止とされた浅川ダムについては、紆余曲折を経て、ことし3月17日から運用開始となりましたが、当時からダムにかわる対策が流域協議会等で検討された上川、黒沢川、薄川、郷士沢川、角間川、清川、駒沢川、砥川の治水対策や利水対策の現状と今後の取り組みについて伺います。
 また、浅川については、残る内水対策とともに、ことし7月11日に氾濫した浅川の支川である駒沢川や新田川、三念沢など信濃川水系長野圏域河川整備計画に位置づけられた河川改修が着実に行われるよう、浅川改良事務所は当面存続させてほしいと思いますが、お考えをお聞かせをいただきたいと思います。
      

◎監査委員(田口敏子)

 

 大北森林組合補助金等不適正受給事案に係る住民監査請求への対応についてお尋ねをいただきました。
 住民監査請求に基づく監査に当たっては、今回の事案も含めて、本県の過去の監査事例や、それから他県における事例のほか、裁判例、それから行政実例等々について調査し、事案を検討する上で参考にしております。
 そこで、この平成22年の住民監査請求につきましては、事務費が国庫補助金の交付目的に直接関係しない用途に使われたこと等により補助金の返還を求められた事案でございます。監査結果は、国庫補助金の直接の用途外への使用や不適正な経理処理を認定しましたが、当該事務費の支出自体は原因を欠くものではなかったとして、職員等に法的に賠償させなければならない損害が発生しているとする事実は認められなかったと判断したものと理解しております。
 一方、今回の事案につきましては、森林作業道や森林整備において施工の事実がなく、補助金の支出の原因を欠く不適正な案件が少なからず存在し、その金額も多額に上っております。加えて、財務関係法令を逸脱した行為が長期にわたって繰り返され組織の中で見過ごされてきたことや県組織全体としての責任等について監査委員として重く受けとめたものでございます。
 これらを踏まえまして、本年2月の監査の結果においては、知事に対し、関係法令にのっとって検討を行い、その結果、仮に職員に対する賠償責任が認められた場合には厳正に対処するよう勧告を行ったものです。
 以上ですが、この際、なお一言申し添えますと、今般の知事からの監査請求につきましては、事案の状況等々、関係する法令、裁判例等を踏まえまして、私ども4名の監査委員により慎重に判断してまいる所存でございますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
      

◎知事(阿部守一)

 

 公共交通、高速バスに対する取り組みについて御質問いただきました。
 長野県におきましては、地域の足の確保ということが重要なテーマだというふうに思っております。御指摘がございました佐久長野線につきましても、しなの鉄道など並走する鉄道路線と所要時間、運賃とも大きな差異がないということから、利用者数が伸びず、また、沿線市町による支援の調整も整わなかったことから、残念ながら路線の廃止に至ったものと受けとめております。
 路線の廃止に当たりましては、県から千曲バスに対しまして沿線の学校等に丁寧な事前説明を行うよう依頼をさせていただき、大きな混乱はなかったというふうにお聞きをしているところでございます。
 県内の広域拠点を結ぶ高速バスにつきましては、通勤、通学に加えて、観光、ビジネスといった面でも重要な交通ネットワークだというふうに考えております。県としては、これまで、鉄道によります移動が困難な地点を広域的に結ぶ路線について沿線市町村の支援とセットで支援制度を設けて、利用促進や車両購入への補助を行ってきているところでございます。
 今後は、鉄道も含めた県全体の交通ネットワークの形成維持の観点から、県有民営方式の活用などさらなる支援策を検討していきますとともに、バス事業者や沿線市町村とも連携して観光を含めた利用促進策を検討するなど、高速バス路線の維持確保を図っていきたいと考えております。
 以上です。
      

◎企画振興部長(小岩正貴)

 

 交通系ICカードについての御質問でございます。
 交通系ICカードの普及に関しましては、平成28年度から交通事業者、市町村等をメンバーとしまして、長野市のKURURUカードの状況やカードの共通化に関する国の動向などについて研究を行ってまいりました。
 県内の公共交通に共通のICカードを導入するに当たりましては、Suicaなど全国共通で使用できるいわゆる10カードとの連携を図ること、鉄道、バス、タクシーなどできるだけ多くの県内交通事業者が参画すること、福祉パスといった地域独自利用の機能が柔軟に付加できることなどがポイントとして整理できるところでございます。この点を考えますと、県内共通のシステムを独自に構築し、そこにSuicaなど10カードとの連携を図るという方法が最も合理的と思われます。
 こうした点も踏まえまして、Suicaとの調整につきましては、まずはSuicaが県内システム側でも使える片利用を実現するための課題につきまして現在JRと意見交換を重ねているところでございます。
 一方で、国においても、現在、10カードと地域の独自カードとの共通利用システムについて検討が行われていることから、この動向も注視しつつ、加えて他県におけるSuica以外の例も研究をしているところでございます。
 また、県内共通のシステムを導入する場合、その初期投資やランニングコストの負担、システムの管理体制などについても今後整理が必要となります。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えまして県内共通ICカードの早期導入を実現したいと考えておりますが、具体的な時期につきましては、どのようなシステム構成にするのかと表裏一体の問題でございます。今年度中には方向性について関係者間の合意が得られるよう努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
      

◎県民文化部長(青木弘)

 

 信濃美術館の整備につきまして順次お答えをいたします。
 まず、学芸員等の採用計画についてでございますが、新しい美術館を文化、観光の拠点としていくためには、議員御指摘のとおり、学芸員等の専門人材の確保が大変重要であると認識しております。信濃美術館整備委員会や先ごろ開催いたしました美術関係者による県民リレー・ワークショップにおきましても、学芸員等の充実を求める御意見を数多くいただいているところでございます。
 現在、新美術館の事業編成の検討を行っておりますが、あわせて美術館の職員体制につきましても、展覧会の企画を行う学芸員の充実を初め、幼児期を含め発達段階に応じた教育プログラムを担当する職員、新たに設置するアートライブラリーを運営する職員、集客を図るために戦略的な広報を企画立案する担当者などの専門人材の必要性を検討しているところでございます。こうした専門性の高い美術館職員の採用は、開館までに必要となる取り組みにあわせまして、開館後もにらみつつ計画的に行うことが必要と考えております。開館に向けて支障が生ずることがないよう、信濃美術館整備委員会の御意見を伺いながら、具体化に向けての検討のスピードを上げてまいりたいと考えております。
 次に、寄附等の取り組みの検討状況でございます。
 信濃美術館は、民間事業者が中心となって整備され、その後県に移管された経緯があり、県民の皆様の熱い思いでできた美術館と認識しております。新しい美術館におきましても、多くの県民、企業を初め広く民間からの資金援助などの支援を得られるよう取り組んでまいりたいと考えております。現在は、寄附の募集におきまして目標を上回る実績を上げている他県の美術館の現地調査を行うなど、具体的な方策の検討に着手しているところでございます。
 先行している美術館からは、建物の姿がビジュアル的に見えたほうが寄附を募りやすいとのアドバイスをいただいたことから、県民の皆さんに新しい美術館の姿をイメージしていただける段階、すなわち設計が固まってきた段階におきまして具体的な取り組みを進められるよう準備をしてまいりたいと考えております。
 なお、具体的な取り組みの内容につきましては、多くの県民の皆様の御理解、御協力が必要となりますことや、有効な取り組みとなることが必要と考えておりますので、経済界や先進的な取り組みをしております美術館関係者に参画していただいております信濃美術館整備委員会の御意見もいただきながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 最後に、ワークショップ等で出された意見の設計への反映についてでございます。
 県民リレー・ワークショップは、計画いたしました9回のうち既に8回を終了しておりますが、建物や設備に関する御意見だけでなく、運営面や美術館の周辺を含め多くの御意見をいただいたところでございます。こうした御意見につきましては、立地条件や予算面などから全てを反映することは難しい面もありますが、しっかり受けとめて、できる限り設計等に反映していくことが重要と考えておりますが、この点につきましては設計者にも御理解いただいているところでございます。
 今後、いただいた御意見等につきましては、整理をさせていただいた上で、どう設計等に反映したのか順次明らかにしてまいりたいと考えておりますが、まずは10月28日に開催予定の県民フォーラムにおきまして設計素案の説明を行いますことで、説明責任を果たすことにもつなげてまいりたいと考えております。
 なお、11月には設計素案に対しますパブリックコメントを実施し、広く県民の御意見を伺い、基本設計に反映するなど、県民の皆様との意見交換をさらに丁寧に行うことで県民参加による美術館づくりを進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。
      

◎建設部長(油井均)

 

 流域協議会で検討された9河川のうち、浅川を除く8河川の治水及び利水対策の現状と今後の取り組みについてのお尋ねでございます。順次お答えいたします。
 諏訪市、茅野市の上川の治水対策は、優先度が高い諏訪市四賀の弱堤部の整備を実施し、平成21年度に完了しました。今後、諏訪圏域河川整備計画に基づき、築堤等の河川改修を順次実施してまいります。利水対策では、上流の二つのため池について県による漏水対策が完了し、農業用水の安定確保を図っております。
 次に、安曇野市黒沢川の治水対策ですが、現在、調節池の新設に向けた調査を進めており、早期の工事着手を目指してまいります。利水対策では、市が井戸の新設及び豊科地域からの送水によって水源を確保しており、対策が完了しておると聞いております。
 次に、松本市薄川の治水対策ですが、現在、下流の田川の河川改修を実施しており、薄川についてはその後の着手と考えております。なお、利水につきましては、市がダム事業への参画を辞退しております。
 次に、豊丘村郷士沢川の治水対策ですが、現在、下流の芦部川の河川改修を実施しており、早期の完了を目指しております。利水対策は、村が井戸を新設し、対策は完了したと聞いております。
 次に、山ノ内町角間川でございますが、平成19年8月に流域協議会から角間ダム建設について賛成・反対両論併記の提言がなされ、翌年の公共事業再評価において角間ダム事業は一時休止となっております。その後、国土交通大臣からのダム事業の検証に係る検討要請に基づき、現在、治水・利水対策の再検討を行っているところでございます。今後、関係する皆様と十分に協議し、対策を決定してまいりたいと考えております。
 次に、飯山市清川の治水対策では、その後の災害の発生が見られないことから、現在、河川改修には着手しておりません。今後も状況を注視してまいりたいと思っております。利水対策は、市が雪の処理計画を見直し、新たな水源の確保は必要なくなったと聞いております。
 次に、辰野町駒沢川の治水対策ですが、現在、押野地籍において河川改修事業を実施しており、早期の完了を目指し引き続き事業を進めてまいります。利水対策は、町が代替水源を確保するため井戸を新たに設置しており、今年度中の完了予定と聞いております。また、農業用水の安定確保のため、県農政部が漏水対策工事を実施中であります。
 最後に、下諏訪町砥川の治水対策ですが、現在、下流の赤砂地籍において河川改修事業を実施しており、平成32年度の完了を目指し事業を進めてまいります。利水対策は、岡谷市において既存井戸の改修工事を行い、対策は完了したと聞いております。
 続きまして、浅川改良事務所についてのお尋ねでございます。
 浅川では、本年3月に浅川ダムが運用を開始し、排水機場については平成30年出水期前の本格運用を目指して工事を実施しております。また、議員御指摘のとおり、内水対策が残るとともに、今後三つの支川において平成30年度から河川改修を行う予定でございます。
 浅川改良事務所につきましては、今後の事業状況を勘案し検討すべき事項と認識しております。
      

◆竹内久幸

 

 代表監査委員の答弁についてですけれども、22年の住民監査請求との違いについてはわかったようでよくわからないような雰囲気でして、今度の監査結果を受けるにしても、そうしたことが正確に比較ができるような見える形でぜひお願いしたいというふうに思いますし、また、同じ補助金適正化法に関して、加算金が同じように求められているという意味では比較するに値する部分があると思いますので、ぜひその辺をお願いしたいと思います。
 なお、今回、監査の報告を何度も読んだんですけれども、今回の監査結果については、どうも県が弁護士等の外部専門委員会による検討委員会を立ち上げることに依拠して監査結果が出るような気がしてならないわけでございまして、その辺はちょっと私のひとり思いかもしれませんけれども、そんな気持ちで質問させていただいたということを感じ取っていただければというふうに思います。
 いずれにしましても、今回損害賠償の対象となっている方々の思いというのは、当時こんなことをやっているとは思っていなかった。自分の仕事を回すことで精いっぱいだった。個人の問題でなく組織の問題であり、またしても上部から見捨てられるのかということだというふうに思います。
 そもそも、今回の事案は、平成19年ごろ、当時の地方事務所林務課長から専務理事に対し、既設の森林作業道を新しく開設したものと偽って補助金を申請し、その補助金を高規格作業道の開設にかかわる自己負担分に充てるよう助言したというところから始まっており、この事案は既に時効であり、今回の請求対象とはなっていないことからも、11名の職員の過失の可否や賠償責任の有無を監査するに当たっては慎重な審査をお願いしたいというふうに思っています。先ほど監査委員からはそんな表明がありました。
 また、職員に損害賠償を求めるのであれば、全国的にまれなケースとなり、今後全国の自治体職員の仕事に影響を及ぼすことになることからも慎重な審査をお願い申し上げたいというふうに思います。
 以上申し上げまして、私の質問を終わります。