平成29年11月定例県議会 発言内容(花岡賢一議員)


◆花岡賢一

   

 次期総合5カ年計画策定に向けての原案がいよいよ示され、「確かな暮らしが営まれる美しい信州」の基本目標のもと、政策推進エンジンとして「学びと自治の力」が挙げられています。総合計画策定のプロセスに対しては多少申し上げてきたこともありますが、6月時点での重点政策に関する総合計画審議会等での主な意見の総論では、「当たり前の政策を入れた上で、独自の取組を盛り込む「尖った計画」とする」とあります。

 今回示された内容を見ると、一見聞き流してしまいそうなお題目の中に、独自性を強調するとがった内容を含んだ長野県らしい計画原案であることを感じるのと同時に、向こう5年間への社会情勢の変化と、それに対応する決意のようなものを感じました。今後、重点的な取り組みが示されることとなるわけではありますが、常に変化する社会情勢の中、確かなリーダーシップが発揮できるように願うのと同時に、私も、県議会総合計画研究会のメンバーとして研さんを重ねてまいります。
 示されました原案の柱として挙げられている六つの政策推進の基本方針の一つとして「学びの県づくり」がありますが、本県にあっては、教育県長野と言われ続けてきた経過があり、ある意味、伝統、誇りのようなものを感じるのは私だけではないと思います。
 先ほど申し上げました総合計画審議会の意見の中にも、多くのキーワードとして、教育、学びが挙げられています。そこで、教育県長野の再生と今回示された学びの県との明確な違いを示していただきたいのと、学びの県づくりに対する思いを知事にお伺いいたします。
 また、国及び地方公共団体が講じ、または講ずるように努めるべき不登校児童生徒などに対する教育機会の確保等に関する施策、夜間その他特別な時間において授業を行う学校における就学の機会の提供等に関する施策及び教育機会の確保等に関するその他の施策等について規定されており、昨年公布されたものに、教育機会確保法があります。この法律は、広く不登校であっても教育機会の確保等に関する施策の推進を図るように求められている内容を含むものですが、全てがラップするものではないにしても、次期総合5カ年計画の内容に非常に関連していると考えておりますので、以下4点、教育長にお伺いいたします。
 先ほどの次期総合5カ年計画の原案において、基本方針「学びの県づくり」の中の注力すべき施策の中に「世代を超えた学びの場の構築」とありますが、その学びの場とは、これから具体的に確定させていくこととなるとは思われますが、主眼としてどのような方向性を目指していくのでしょうか。
 また、最近耳にすることが多くなってきましたが、スウェーデンの経済学者レーンが初めて提唱したリカレント教育というものがあります。このリカレントとは、反復、循環、回帰との意味を持つのですが、リカレント教育とは、通常の教育を終え、社会人となった後でも、個人の必要に応じて教育機関に戻り、繰り返し再教育を受けられる戦力的構想であります。
 1973年にOECD経済協力開発機構の報告書では、全ての人に対する義務教育または基礎教育修了後の教育に関する総合的戦略であり、その本質的な特徴は、個人の生涯にわたって教育を交互に行うことにあると定義しています。つまり、就業と教育を交互に、もしくは社会人となった後も再び学ぶ機会を求めるような内容は、次期総合5カ年計画の「世代を超えた学びの場の構築」の理念と一致するところが多いと考えますが、リカレント教育をどのように考えているのでしょうか。
 また、教育機会確保法では、夜間などにおいて授業を行う学校における就学の機会の提供について定めていますが、本県の夜間中学の設置に関して課題をどう捉えているのでしょうか。今後、世代を超えた学びの場として期待される夜間中学の設置に向けて、どのような検討を行っていくことが必要となってくるのでしょうか。
 そして、ことしの3月に出された学びの改革基本構想に関連させますが、この基本構想の中に、高校生に対して探究的な学びを推進するとの記載がありますが、現在でも興味を持った物事に対して自主的に深い部分まで探究していく姿勢は持っているはずなのに、今なぜ探究的な学びを教育委員会から構想として提示しなくてはならなかったのでしょうか。また、本県におきまして、今後さらに探究的な学びを進めていくための手だてにはどのようなものがあるのでしょうか。
 生涯学び続ける、この言葉をキーワードとするのならば、長野県にはすばらしい活動があります。世代を超えた学びの場の構築といった施策展開の中、シニア大学との関連性はどのようになっていくのでしょうか。健康福祉部長にお伺いいたします。
      

◎知事(阿部守一)

 

 学びの県づくりに対する思い、そして教育県との違いという御質問でございます。
 長野県は教育県と呼ばれてきた県でありますので、教育県の再生ということも選択肢としてはあり得る方向性だというふうに思いますけれども、しかしながら、やはりかつての教育とは未来志向で一線を画していかなければいけない部分もあるのではないかというふうに思っています。
 長野県が教育県と呼ばれてきた大きな要因は、県民の皆様方の教育的な関心、熱意が高いこと、そして、何よりも熱心な先生方、教育者による教育活動が行われてきたこと、長野県出身の教育者がほかの地域に行って活躍しているというようなことで、やはり教えることにかなり重点が置かれてきた部分があるというふうに思います。
 教育という言葉は、子供が他者から教えていただくというイメージがどちらかというと強いなというふうに感じておりまして、そういう意味で、自主自立の県民性を持つ長野県においては、これからはやはり主体的な方針、主体的な学びというものをまずしっかり出していくということが重要だというふうに思います。そして、人生100年時代を迎えようとしている中で、これは子供たちだけではなくて、先ほどリカレント教育、リカレント学習のお話がありましたけれども、大人も含めて全ての県民がその人生のライフステージに応じて学び続けていくということを考えたときには、やはり教育という観点よりも学びというほうがふさわしいものというふうに考えています。
 また、教育のあり方というものも、例えばミネルバ大学のように、固定したキャンパスではなくて世界中をキャンパスにして学ぶような大学ももう既に出てきている状況でありますし、また、インターネットを通じて大学の教育も受けられるというような状況の中で、かつての教育というイメージとこれから未来志向で考えていかなければいけない学びというのは、相当イメージ的にも違ってくるだろうというふうに思います。
 日本においては、やはり義務教育をしっかりして、日本全国津々浦々、どこに行っても均質な教育を受けられるということを目指して発展してきて、それは過去においてはよかったというふうに思いますけれども、これからは、やはりイノベーティブ、クリエーティブ、そうした人材をつくる上ではやはり多様性ということも重要になってまいりますので、これから未来志向で考えていくときには、教育県再生というよりは、やはり学びの県づくりという形で新しい方向性を出していくことが必要だというふうに思っております。
 しかしながら、この長野県の特色、強みは、やはり教育県として培われてきた県内に根づく学びの風土であるというふうに思っております。例えば、公民館活動が活発だ、あるいは社会教育施設がいっぱいあるというようなこと、あるいは教育関係の人たちが非常に熱心に取り組んできた。こうしたことも、もとよりこの学びの県づくりには生かしていかなければいけないというふうに思っております。そういう意味で、この学びということを未来志向で位置づけながらも、これまで長野県が培ってきた伝統、そして教育に関する文化ということもしっかり生かしながらこの学びの県づくりを進めていくということが大変重要だというふうに思ってます。
 具体的な政策はこれからしっかりと検討していきたいと思いますけれども、単に教育委員会の教育だけではなくて、あらゆる分野にこの学びという視点を入れていきたいなというふうに思っております。
 以上でございます。
      

◎教育長(原山隆一)

 

 世代を超えた学びの場の構築、そしてリカレント教育についてのお尋ねでございます。
 人口減少あるいは人生100年時代を見据え、人生のあらゆる場面で必要な学びや学び直しに取り組むことができる環境の整備が必要であるというふうに考えております。世代を超えた学びの場の構築の取り組みの方向性としては、学校と地域住民がともに開かれ学び合う取り組みを推進、ICTを活用し、全ての県民がいつでもどこでも学び合える環境づくり、図書館や公民館などを活用し、教える側と教わる側が固定しない、子供から大人までの多世代がつながり合う学びの推進などが想定されるところだと思っております。
 また、学び直しの視点におきまして、生涯にわたるキャリア形成や技術進歩に対応した知識・技能習得といった社会人の学び直しのニーズに応えるためのリカレント教育が必要だというふうに考えております。県内高等教育機関にもそうした機能の発揮が期待されるところであります。専門学校には、入学者選抜において社会人枠を設けている学校もあるというふうに承知しております。また、平成31年度から設置が始まる予定の専門職大学と専門職短期大学においても、その特色の一つとして、キャリアアップやキャリア変更を目指す社会人の多様な学び直しニーズに対応することが挙げられているところであります。こうした状況を踏まえて、学びの県づくりにおける位置づけについては検討してまいりたいというふうに思っております。
 夜間中学校に関してでございます。
 設置の課題についてですが、中学校の夜間学級、いわゆる夜間中学は、義務教育を修了せず、学齢を超過した方に教育の機会を提供する場でありますけれども、現在は、このような方に加えて、不登校などで十分な教育を受けられないまま卒業した方や外国籍の方等に教育機会を提供する場として期待されているというふうに考えてます。
 県教育委員会では、昨年度、中学校夜間学級設置における課題検討事業というのを立ち上げまして、夜間中学の設置のニーズ調査や県外の夜間中学の視察、有識者を交えた協議会による検討等を行ってきたところであります。この中で、課題としては、長野県は県土が大変広いことから、設置場所や設置数の検討が必要であること、そして、都会と異なり夜間の安全、安心な通学方法の確保が必要であること、そして、専門性のある教員の確保が必要であること、市町村やNPO団体等との連携、協働体制の検討が必要であること等が整理されているところであります。
 今後の夜間中学の設置検討についてでありますが、まず継続的に夜間中学設置に係るニーズ調査を実施しておりまして、本年度は、市町村教育委員会だけではなく、NPO団体も調査対象として広くニーズの把握に努めているところであります。さらに、夜間中学の実態の周知にも努めておりまして、市町村教育委員会に対し、夜間中学で学んでいる様子などを示す資料を提供しております。
 夜間中学は、中学校の教育課程にのっとって学ぶ場であります。今後も実態を丁寧に把握し、夜間中学に対するニーズ、市町村やNPO団体による取り組み等を踏まえた上で設置上の課題への対応を検討してまいりたいというふうに思っております。
 探究的な学びの必要性とその推進のための手だてということであります。
 今なぜというお話でありますが、変化の激しい先行きの不透明な時代を生きていく生徒たちに求められるのは、正解をたくさん覚えることではなくて、正解のない問いに対して自分の意見を根拠を持って言える力だというふうに思っております。探究的な学びは、みずから問題を発見し、答えを生み出し、新たな価値を創造していく力を身につけるためにふさわしい学習方法でありまして、教育活動全体を通して推進していくことが求められているということであります。
 本県には、豊かな自然や地域とのかかわりの中で体験を重視した教育を行ってきた風土があります。これを生かして、県教育委員会では、地域に根差した探究的な学びとして信州学を立ち上げ、全ての県立高校で取り組んでおります。信州学を中核に据え、探究的な学びの推進を通じて、信州に根差した確かなアイデンティティーと世界に通じる広い視野、資質、能力を育成し、全ての生徒がみずからの夢を見つけ、夢に挑戦する学びの実現を目指してまいりたいというふうに考えております。
      

◎健康福祉部長(山本英紀)

 

 学びの県におけるシニア大学の位置づけについてお尋ねをいただきました。
 シニア大学は、昭和53年の開学以来、おおむね60歳以上の方々を対象に、仲間づくり、生きがいづくり、健康づくりの場としての役割を果たすとともに、近年はシニアの社会参加を推進するための取り組みにも力を入れてまいりました。今年度は、意欲あるシニアが、地域課題の解決に向けリーダーやプロデューサーとして活躍するために必要な知識を身につける専門コースを新たに開設したところです。
 人生100年時代を迎えた今、高齢になっても県民一人一人が主体的に学び、また学び合う環境づくりを進めることは大変重要と認識をしております。今後も、より魅力的な大学となるようカリキュラムを見直すなどして、シニアの皆さんが個々の能力を社会での発揮につなげることができる場の一つとして役割を果たせるよう取り組んでまいります。
 以上でございます。
      

◆花岡賢一

 

 お答えいただきましたけれども、夜間中学に対する検討事業のニーズの中で、私が把握している中でですけれども、いまいちそのニーズに関して掘り起こしといいますか、需要がないのではないかという状況があったことを記憶しています。ですけれども、夜間、学べなかった方がもう1回学び直す、その体制がこれからの時代求められていくのかなというところがございますので、周知を徹底すれば必ずニーズというものは発掘されると思いますので、引き続き取り組みをお願いできればと思います。
 今回、1970年代に提唱されたリカレント教育を題材の一つとして学びに焦点を当てて考えてみましたが、多様化する社会情勢に対して順応していかなくてはならない行政のあり方が見えてきます。終身雇用が当たり前の時代ではなくなっている現在にあって、個々のスキルアップに対するニーズへの対応は社会全体の課題であります。また、男女共同参画型社会を目指し、また、高齢化社会となる日本にあっても、一旦家庭に入った女性や高齢者の再就職、社会参加のためにも、広い意味で学び直しとしてのリカレント教育の考え方は重要視されてくることは間違いないと思います。
 私が言われた言葉の一つに、学ぶことは幾つになってもできる。しかし、感じることはその瞬間にしかできないというものがあります。これは、今では人生訓のようなものになっているのですが、学びたいと思う人に学べる環境を長野県が提供できたのならば、その人は必ず長野県の財産となるわけですし、あの県は大人になっても勤勉で向上心でぎらぎらしているとなれば、地域の活力は当然生まれてくるものと信じています。願わくば、行政とはそうあってもらいたいと思うのと同時に、そうあるべきと提案させていただきます。
 先日、野沢南高等学校の現役高校生との意見交換会に出席させていただきました。受験を控えた3年生は参加していませんでしたが、1年生と2年生、そして学校の同窓会の方、地域の区長さんとさまざまな方々と交流する機会をいただきました。意見発表の際に感じたことは、現役高校生と今の自分、どちらが学んでいるのか、その量を比べても意味はないというふうに考えながらも、さまざまな切り口にあらわされた感受性には驚きを隠せませんでした。時に学びは凝り固まることもありますが、学びの県が政策推進のエンジンとして、また、その施策がつくり出す未来に期待を込めまして質問を移ります。
 県民意識調査の実態についてお伺いいたします。
 私も以前、県政モニターアンケート調査について質問を申し上げたことがありましたが、県民とキャッチボールをしながら県政をつくるといった知事の考え方、その方針には変わりはないと思います。そのような中、アンケート型の意識調査から、県政タウンミーティング、県民ホットラインなどの実施により、さまざまな意識調査のベストミックスにより、広く県民の皆様の意見を伺ってまいりたいとの答えがありましたが、6月定例会の議案説明の際に、知事は、「今後実施する「子どもと子育て家庭の生活実態調査」などを踏まえて政策を検討し、来年3月を目途に子供・若者支援に関する総合的な計画を策定してまいります。」と触れています。現在までの進捗状況はどのようであるのでしょうか。
 私たちの会派の視察で6月に北海道の状況を調査する中で、北海道子どもの生活実態調査が昨年の10月から11月まで行われた内容を聞くことができました。そして、ことしの6月に結果報告書を出し、我々もその内容を精査することができたわけですが、北海道庁では、その実態調査を北海道大学大学院教育学研究院の「子どもの生活実態調査」研究班が行った内容を聞いてまいりました。実態調査に対して、本県では他団体と組んで行った経過はあるのでしょうか。
 以上2点、県民文化部長にお伺いいたします。
 また、地理的に広範囲であることと、目的に即した意識調査を県民の皆様に行っていかなくてはならないことは理解しているのですが、それぞれの各部局において長野県の実情に対してさまざまな調査が行われているのですが、どの程度でどの範囲、どのような内容のものが行われているのでしょうか。
 先ほど触れましたが、以前質問で取り上げさせていただいた県政モニターアンケート調査は、それぞれの調査に対してどのように関係しているのかお示しください。
 ターゲットを絞って、より正確で実効性のあるデータの収集を行うのであるならば、よりタイムリーで回答を引き出しやすい状況をつくっていかなくてはならないと考えますが、部局横断的に総合的に効率を考えた意識調査のあり方についての考え方。
 以上3点を企画振興部長にお伺いいたします。
      

◎県民文化部長(青木弘)

 

 まず、子供・若者支援に関する総合的な計画の進捗状況でございます。
 まず、現状と課題を把握するため本年8月に実態調査を実施したところでございますが、このほか、中高大学生や子育てサークルの保護者、「信州こどもカフェ」地域プラットフォームの関係者等との意見交換も実施してまいりました。これらを踏まえまして、庁内の部局横断型の組織、さらには市町村との合同検討チーム、将来世代応援県民会議などで多面的に検討を進めているところでございます。
 今後は、さらに庁内での検討を加えまして、年内にも計画原案を公表し、広く県民の皆様から御意見をいただき、その意見を踏まえた上で今年度内に計画を策定してまいりたいと考えております。
 続きまして、生活実態調査の他団体との連携についてでございます。
 まず、本県では、今回の調査の実施に当たりまして、ただいま答弁いたしました庁内の部局横断型の検討組織、さらには市町村との合同検討チームにおいて調査項目の基本的な検討を行いました。その上で、子供・若者施策や貧困問題、統計分析に関する学識者として、首都大学東京、長野大学、長野県短期大学の専門家によります検討会議を開催し、調査項目を精査した上で民間の調査機関に委託して調査を実施したところでございます。また、調査結果の分析方法につきましても専門家の検討を加えていただいているところでございます。このように、北海道とは方法は異なりますが、本県でも長野県内外の知見を集めた形で調査を実施したところでございます。
 以上でございます。
      

◎企画振興部長(小岩正貴)

 

 県民意識調査について、私には3問御質問いただきました。順次お答えをいたします。
 まず、県民に対する調査の実施状況についてでございます。
 県が実施します統計調査につきましては、統計法に基づき総務省へ届け出が必要なものを中心に、毎年1回、各部局で実施予定のものを取りまとめ、県のホームページで公表をしております。今年度実施予定のものとしましては、約180の調査を実施予定としてございます。
 その具体的な内容でございますが、これはさまざまでございますが、例えば毎月人口異動調査という調査につきましては、県内で住民票異動を行った方を捕捉しまして、市町村単位での住民の異動状況、世帯数の増減等を調査するものでございます。また、景気動向調査につきましては、県内の主要企業を対象に受注量や生産量等を把握するものでございます。県政モニターアンケート調査につきましては、県政モニターを対象に県政の課題や主要施策に係る事項に関する県民の意識を調査するものでございます。
 なお、いわゆる意識調査に当たるものにつきましては、総務省への届け出が必要となる統計法上の統計調査には当たらないこともございまして、必ずしも全てを網羅しているわけではないことは御了解いただきたいと存じます。
 次に、各部局で行う調査と県政モニターとの関係についてでございます。
 県政モニターアンケート調査は、年4回程度、1,228名の皆様にインターネットもしくは郵送により回答をお願いをしております。この調査は、県内在住の18歳以上の皆様の中から、年齢構成、居住地域等の属性を考慮して選定した県政モニターを対象に、県民全体の意識の傾向を見ることを目的として実施しているものでございます。各部局につきましては、必要としている調査の目的や対象範囲等に照らしまして、この県政モニター制度を活用できるものについては設問の中に組み込んで実施しているところでございます。
 最後に、部局横断的な県民意識調査のあり方についてでございます。
 各部局が個別に行っている県民意識調査などについて、効率性等の観点から、可能な限り県政モニターアンケートに集約していくということは大事な一つの方向性であると認識をしております。御質問の趣旨も踏まえまして、県民意識の調査方法につきましては、引き続き各部局間の調整を密に行い、よりよいものとなるよう検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
      

◆花岡賢一

 

 お答えをいただきましたけれども、統計法に基づき取りまとめられていらっしゃるのは年1回ということです。ですけれども、県政モニターアンケートは年4回行えるわけでありまして、やはりその課題に対してよりタイムリーでなくてはいけない。そのために、むしろ部局側からこういう質問をしてくれという、その逆の方向があってもいいのかなというふうに思うところがありますので、その点も検討していただければと思います。
 各部局が複数あるのに対しまして、多様なニーズを持つ県民、その県民の意識は共通の200万人であります。そのような中、1,000人を超えるモニターでの調査は全国でも少ない秀逸な県政モニターアンケートとなっているわけですが、回答率の向上に向けた設問の調整に苦慮されていることは聞いております。しかし、以前1回であった県民意識調査に比べて、4回行えるモニター、それは理解するところではありますけれども、その意識の調整、連携を密にしていくこと、それをお願いしたいと思います。
 今回配布されたモニターの回答率は8割へと上がったこと、それに対しての喜びはあるものの、部局の連携を意識調査の中でも強く求めまして、私の質問を終わります。