平成28年2月定例県議会 発言内容(山岸喜昭議員)


◆山岸喜昭

   

 順次質問に入ります。

 長野県産米のブランド価値向上についてでございます。

 我が国の水田の激減を防ぐには、米が、これまで以上の需要が生じ、また今まで以上に高価に買い取られることであり、それには外国への販売拡大が不可欠であります。

 近年、日本食の普及や、全粒穀物の玄米等の健康増進効果が見直され、アメリカなどでも米の消費量が拡大しつつあります。それに伴い、海外における日本の米の評価が高まっており、世界においてさらに需要が高くなると思われます。国内とは違い、海外におきましては、まだまだ新潟のコシヒカリや秋田のあきたこまち等、昔から海外でも有名な米がやはり人気なことから、ネームバリューが一つのブランドと認知されているようであります。

 しかし、このような海外市場においても、もう一つのブランドとなり得るのがコンクールでの受賞ではないでしょうか。第17回米・食味分析鑑定コンクール国際大会が石川県で開催されました。米のコンクールとして、規模、出品数ともに国内最大で、恐らく海外においても最大級であり、受賞米は非常に高い評価とブランド力が認められています。

 米の安全性や良食味を審査、評価することで、良質な米づくりに努めている生産者、生産団体を支援し、安心、安全でかつ健全な米づくりを守り、日本の米食文化を支える基盤づくりや指針の役割をも担っております。

 大会には、全国各地から、また海外から、合計5,119点の米が出品され、各地自慢の米のおいしさを競い合います。審査の結果、国際総合部門におきまして、長野県産米が、飯山産が3件、木島平産が2件、そして私ども地元の小諸産が1件金賞を受賞し、金賞18件のうち本県の6農家が見事受賞されました。

 受賞米は、非常に高い評価とブランド力が認められております。これにより、長野県産米は世界に存在感を示すとともに、長野県産の米のブランド化に向けて一歩も二歩も前進したと思われます。

 厳しい審査を受け選ばれた米職人、自然や風土、米職人のこだわりと情熱が、味わい、おいしさとなってあらわれ、米のプロをもうならせる結晶となり、すぐれた米が誕生しています。この機会に、ぜひとも国内外において最高のブランド力の取得を目指したいものであります。

 農政部長にお聞きします。

 コンクール国際大会で、金賞受賞18件のうち、長野県は6農家で最多受賞、米づくり農家が努力している結果だと思われます。ある企業は、受賞者から6名を選抜し、精米、ブレンド、貯蔵し、世界最高の米として国際市場へ販路を広げ、1キロ1万1,000円で販売します。ブランド化に取り組む長野県としても、県内外や海外市場への販売開拓や銀座NAGANOでのPRはできないものか。

 一方、県におきましても、新たな主要穀類オリジナル品種の水稲「風さやか」と、そばでは「信州ひすいそば」の県産農産物のブランド化や生産拡大に向けて取り組んでいることは承知しておりますが、適地適作の信州産「風さやか」と、「信州ひすいそば」など、どのように知名度をアップ、ブランド化をしていくのか。また、ブランド化には一定の流通量が必要です。どのように生産拡大を進めていくのか。また、早期産地化に向けた取り組みはどのようにしていくのか。今後の信州産米の魅力発信、展望をどのようにしていくのか。お聞きします。

  

◎農政部長(北原富裕)

 

 長野県産米のブランド化につきまして、順次お答えをさせていただきます。

 まず、すぐれた県産米のPRについてでございますが、本県では、原産地呼称管理制度による認定米に対し、県ホームページでの紹介のほか、銀座NAGANOを活用したお披露目会や商談会などによりまして、県内外へ広くPRをしているところでございます。

 全国段階のコンクール入賞者の中には、原産地呼称管理制度に取り組んでいただいている生産者もおられますので、今後はより多くの生産者にこの制度に取り組んでいただけるような働きかけをしまして、PRにつなげてまいりたいというふうに思っております。

 また、コンクール入賞者につきましては、県のホームページで紹介させていただくバナーを開設しまして、生産者のお米の優秀性とつくり手の思いを広く周知できるよう取り組んでまいります。

 なお、海外輸出につきましては、県農産物等輸出事業者協議会において販路開拓の可能性を検討させていただきたいというふうに考えております。

 次に、オリジナル品種のブランド化についてでございますが、取り組みに当たっては、生産者のみならず、流通、販売、実需者が参画します推進協議会を設立しまして、関係者一体となって進めております。

 「風さやか」につきましては、本年度、推進フォーラムを開催し、実需者に向けて特徴などをPRしてまいりました。来年度は、ロゴマークを活用した統一した米袋での販売、宣伝ですとか、キャッチフレーズの募集などによりまして、消費者に向けての認知度向上を図ってまいります。

 「信州ひすいそば」につきましては、緑色が鮮やかで香りが高いといった品種の特徴を協議会参加のそば店等から発信していただく取り組みですとか、商標の活用などによりまして、認知の向上を図っているところであります。

 また、早期産地化への取り組みでございますが、「風さやか」は生産者の作付意欲も高く、栽培面積は大幅に増加しております。一方で、品質のばらつきが課題となっておりますので、来年度は、統一した栽培マニュアルに基づきます高品質で安定的な栽培の徹底を図りまして生産拡大を進めていくこととしておりまして、現在、各産地において生産者講習会を実施しているところです。

 「信州ひすいそば」は、そば店等から供給量の増大を求める強い要望がございます。種子の確保や栽培マニュアルによります安定生産指導によりまして、耕作放棄地の活用もあわせ、栽培面積の拡大を進めてまいります。

 また、県産米の魅力発信に向けた取り組みでございますが、これまで、本県の一等米比率が全国1位であることや、原産地呼称管理制度認定米のおいしさなど、県産米の魅力について発信してきたところでございます。来年度からは、これらに加えまして、県内のホテル、旅館や飲食店等で県産米を利用していただく地消地産の取り組みを積極的に進めまして、県内外の観光客や消費者の皆様へ県産米の魅力を発信してまいりたいというふうに考えております。

 また、県オリジナル品種の「風さやか」につきましては、特徴や魅力を銀座NAGANOでのイベント、県ホームページやメディアなどを活用したPRなどにより進めまして、他県品種に負けないブランド米に今後育て上げていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

  

◆山岸喜昭

 

 続いて、6次産業についてお聞きします。

 6次産業化の推進については、農産物の新たな付加価値を創出するとして、県が信州6次産業化推進協議会を設立し、事業者に対して支援を効果的に推進中であります。農山村の所得や雇用拡大、地域活力の向上を図るために、地域内外の多様な事業者がネットワークを構築して取り組む新商品開発や販売開拓等を支援するネットワーク活動交付金があり、認定を受けた事業者はさまざまな支援が受けられます。国の認定している総合化事業計画数は全国の3位とお聞きしております。しかし、国の補助金制度の変更がたびたびあり、使い勝手がよくないともお聞きしております。

 農政部長にお聞きします。

 国が実際に補助金を出す場合に、設備、機械等の整備支援では、27年度から金融機関融資が前提となり、補助率も事業費の10分の3に狭められております。ということは、金融機関が前向きに6次産業支援に取り組まない限り成果が出ないことになるが、県として金融機関が6次産業化に積極的に取り組むようにするためにはどのような対策をしていくのか。

 また、総合化事業計画認定数が全国で3位であるが、年度ごとに認定数は減少してきています。そこで、この現状をどのように受けとめているのか。また、今後どのように支援をしていくのか。お聞きします。

 続いて、農業水利施設の管理についてお聞きします。

 インフラ長寿命化計画を策定する中、昨今、土地改良区が維持管理を行っている県内の農業水利施設は、食料増産を目的に整備されてから相当の年数が経過し、特に農産物生産の生命線である重要な水路の老朽化は激しく、コンクリート構造物の耐用年数は既に超えており、水利施設はいつどこで漏水するか、通水不能になるかわからない状態であります。一たび故障等が発生すれば、故障箇所によってはその被害は甚大なものになります。

 土地改良区は、農家の経営への影響を最小限にとどめるため、迅速な対応をしなければなりません。農家の減少、高齢化の進行により、ますます土地改良区の運営が厳しくなりつつある中、土地改良区の運営に大きな負担となるわけであります。また、地域農業を守るとりででもある土地改良区の存続そのものを脅かすものであると思います。

 農政部長にお聞きします。

 農業水利施設は、土地改良区が適切に維持管理するものとされておりますが、高齢化、組合員の減少等により運営が厳しい中、経営への影響を心配することなく、老朽対策が迅速に、また改善事業等維持管理に対応できるよう、県として支援策を講じるべきではないか。お伺いいたします。

      

◎農政部長(北原富裕)

 

 6次産業化についてのお尋ねでございますが、初めに、金融機関の取り組みについてですが、6次産業化の推進にあって大変重要な課題であるというふうに考えております。

 このため、6次産業化の推進母体である信州6次産業化推進協議会においては、平成25年の設立時から県内の主要な金融機関に参画いただき、金融機関による6次産業化支援の強化のための意見交換会や、金融機関の職員を対象とした研修会などを開催してきております。

 これらの取り組みによりまして、金融機関みずからが事業者の相談に対応するためのアドバイザーを設置したり、セミナーを開催するなどの動きとなってきておりまして、今後、このような金融機関の積極的な取り組みがさらに進みますよう、県としても連携支援を図ってまいりたいというふうに考えております。

 また、6次産業化への今後の支援についてですが、認定件数が全国3位であることは、意欲的な事業者が全国に先駆けて6次産業化に取り組んできたあらわれであるというふうに認識しております。今後は、既に認定されている事業者の経営の多角化や、規模の大きな事業体の育成が必要であるというふうに考えております。

 このため、来年度は、6次産業化プランナーによる、より熟度の高い事業計画策定への支援や、経営マネジメント等の研修会の開催などによりまして、事業者をきめ細かく支援してまいる考えでございます。

 また、商品力の向上と販路開拓を支援するため、しあわせ信州食品開発センターを活用した加工技術の改善、銀座NAGANOや首都圏等での商談会の開催などに取り組んでまいります。

 次に、農業水利施設の管理についてでございます。

 農業水利施設は、基幹から末端に至る一連の施設として、基幹の部分は県が、支線や末端は市町村や土地改良区が役割を分担し保全管理を行っております。しかしながら、支線、末端施設では、土地改良区組合員の減少と高齢化や、施設の多くが耐用年数を迎えるなど、適切な保全管理が難しくなってきております。

 このため、本年2月、長野県農業水利施設等保全管理会議を設立いたしまして、県、市町村、土地改良区などが密接に連携する体制の強化を図ったところでございます。

 県といたしましては、国庫補助事業や多面的機能支払事業を最大限に活用して補修、更新を支援するとともに、先ほどの保全管理会議を活用しまして、長寿命化計画の策定や適切な機能保全のための技術的支援などに取り組んでまいることとしております。

 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 

 続きまして、次に、以前もお聞きしましたけれども、AEDについてお聞きします。

 心臓異常が原因で起こる心臓突然死で年間何人の人が亡くなっているか御存じでしょうか。元気な人でも突然心臓発作を起こして、年間7万人以上、日々約200人もの人が心臓突然死で亡くなっております。高齢化が進むとともに増加しているわけであります。この中には、救えたはずの命も少なくないと言われております。

 2分以内に除細動を行えば、救命の確率は80%以上になります。突然死の対策として、それを減らす決め手となっているのがAEDであります。10年前から一般の人でも使用が認められるようになり、AEDはこれまでに63万6,000台以上が販売され、駅や公共施設など今やあちこちのいろいろなところで目にすることができます。

 しかし、一般の人が迷わずに使うことができるでしょうか。誰かが、目の前で倒れた人に対しAEDが使われたケースはわずか3.7%、見知らぬ人が目の前で突然倒れた場合にAEDを使うことができる、できないの問いに、できないと答えた人は半分以上に当たります。その理由の多くは、使い方がわからない、使うべき状態かわからない、必要でない人に電気ショックを与えてしまうのではないかためらってしまう。

 小学校で駅伝の練習中に倒れて反応のない女の子に、保健室にあるAEDが使われずに亡くなる事故が起きました。何のために学校に設置されているAEDなのか。学校の中でAEDや心肺蘇生が実施された数は過去5年間で821件に上っていると聞いております。児童や生徒が倒れた場合、子供たちが第1発見者になる可能性があることから、日本循環器学会では、学校教育の中でAEDなど救命法の指導と訓練が望まれるという提言を出しました。その必要性を実感する出来事が起きたわけです。

 また、心臓に負担がかかるスポーツの現場は特に警戒が必要であります。スポーツの中で、突然死で一番多いのがマラソンであります。大会で走り終えたランナーが心臓発作で倒れる事態が発生、すぐに心臓マッサージが行われ、AEDを使って電気ショックを与えられたことで命が救われるケースがふえております。

 AEDは、正しく理解されておりません。AEDは、電気ショックを与える治療器具であると同時に、電気ショックが必要か判断する診断機でもあります。全国で設置は進んで、一度は講習を受けている人も多いと思いますが、いざというときに使用されておりません。AEDを使う勇気が必要であります。その後押しは知識と訓練が求められます。定期的な講習会やAEDの設置場所など情報も必要であります。AEDは電源さえ入れば簡単に使えます。

 健康福祉部長にお聞きします。

 設置については、救命率の向上のために、可能な限り身近な施設にも設置されていることが望まれておりますが、県、市町村の公的機関やスポーツ関連施設などへのAEDの設置状況はいかがか。商業施設や深夜営業施設など設置状況はいかがか。多数の人が出入りする施設の設置箇所情報はどのようにされているのか。

 維持管理について、冬期間はパッドの凍結やバッテリーの出力低下、消耗期限切れなど正常に作動しない可能性が指摘され、適切な管理が必要であります。利用者が多い公共施設でのAEDは適切な維持管理が行われているのか。心肺停止から5分以内の処置が求められるが、なぜ使用率が低いのか。使用率向上のためには、AEDの正しい理解など啓発活動を進めていくことが必要と思われますが、いかがか。

 続いて、教育長にお聞きします。

 学校教育の中で、救命法の指導や訓練の必要性を実感するが、教職員や子供や生徒たちへ防災訓練同様の定期的な救命講習会や啓発活動が必要と思うが、いかがか。

 県においては、スポーツ振興に取り組み、地域が一体となって地域資源を磨き、合宿の誘致、海外からのキャンプや、各地で開催される多くのスポーツ大会、イベントなどを控える中、県内のスポーツ施設やスポーツの現場に備えつけと、施設関係者が使用法を学ぶ定期的な講習会等が必要と思うが、いかがか。お聞かせください。

 

◎健康福祉部長(小林透)

 

 AEDの設置についての御質問に順次お答えをいたします。

 まず、AEDの設置状況についてでございますが、県内に設置されているAEDの登録件数は、一般財団法人日本救急医療財団によりますと、平成28年2月現在6,622台、そのうち県や市町村等の公的機関については、学校や保育施設が1,335台、庁舎等その他の不特定多数の人が利用する公的施設が738台、運動場や体育館などのスポーツ関連施設が329台となっております。

 このうち、県の施設には、全体で237施設、287台のAEDが設置されており、県の野球場等のスポーツ施設については、6施設、7台が設置されてございます。また、コンビニなども含めました商業施設につきましては165台が、ホテルなどの宿泊施設には283台が設置されてございます。

 次に、AEDの設置情報についてでございますが、AEDを設置する県有施設については、県のホームページで設置情報を公表しているほか、平成27年7月より、全国AEDマップが先ほど申し上げました財団のホームページに新たに開設され、県有施設を初め全国のAEDを設置する施設等の情報が公開されて、AEDが施設の敷地や建物のどこに設置されているかという詳細な位置情報も見ることができるようになってございます。

 また、いざAEDが必要になったとき、設置している場所にたどり着けるような案内表示も含むAEDの設置表示の整備についても各施設管理者に取り組んでいただく必要があり、県において、昨年7月の全国AEDマップの周知とあわせて、AEDを有効に使用するための表示に係る必要な設備についても周知を図っているところでございます。

 次に、AEDの管理についてでございますが、御指摘のとおり、いざというときにAEDが有効に機能するためには、設置されたAEDが設置者によって適切に維持管理され、いつでも使えるようにしておくことが必要と考えております。

 しかしながら、厚生労働省が平成25年にAED製造販売事業者にアンケート調査を実施したところ、一部のAEDの維持管理が適切に行われていない事態が指摘されたため、県においては、平成25年9月に、AEDの適切な管理の実施について関係機関に周知し、日常点検や消耗品の交換等、AEDの適切な管理について徹底を図ったところでございます。

 今後も、県有施設を初め、設置されたAEDが適切に維持管理がなされるよう、引き続き周知を図ってまいりたいと思います。

 次に、AEDの使用率の向上についてでございますが、消防庁の「平成26年版救急・救助の現況」によりますと、平成25年の一般市民により目撃された心肺機能停止症例に対するAEDの使用率は、全国で5.85%となり、さらに長野県内では3.72%にとどまってございます。

 AEDの使用率が低い要因といたしましては、一般的にはそもそもそうした現場の近くにAEDがなかった場合と、AEDがあったにもかかわらず使用に至らなかった場合もあるものと考えております。

 御指摘のとおり、このAEDが存在したものの使用に至らなかった要因につきましては、関係者がAEDの設置場所を知らなかったことや、AEDの使用方法がわからない、あるいは機器の更新などによりまして取り扱いがふなれであったことなどが考えられます。

 使用率の向上を図るために、県としては、AEDへの関心を高め、使用方法などについて県民が学ぶ機会をふやす必要があると考えており、関係者に対して地域や施設における定期的な講習会の開催などについて、引き続き県内の消防本部とも連携しながら周知を図ってまいりたいと思います。

 以上でございます。

 

◎教育委員会教育長(伊藤学司)

 

 AEDに関します私に対するお尋ねに順次お答えを申し上げます。

 まず、学校における救命講習等についてでございますが、学校における心肺蘇生や応急手当てに関する指導は、学習指導要領に基づき保健体育の授業で発達段階に応じ行っており、中学校及び高等学校におきましては、実技を通して理解を深めるほか、心肺停止状態におけるAEDの必要性や使用法についても指導しているところでございます。

 特に、近い将来、社会に出て、応急手当てをみずから行う場面に居合わせる可能性が高くなる高等学校の生徒につきましては、AEDを用いた実技講習を受ける機会を充実するよう学校へ指導しており、昨年度は県下の公立高等学校64校で延べ82回実施をされているところでございます。

 また、教職員につきましては、いざというときにAEDを使用した心肺蘇生法を実施することができるよう、全教職員に対してAEDの使用を含む救命講習を、消防庁が普通救命講習の技量維持の目安としている2年から3年に1回以上受講するよう求めており、昨年度は県下の公立学校全教職員の半数以上が受講しているところでございます。

 教職員はもとより、児童生徒が発達段階に応じ、AEDの有用性に対する理解を深め、いざというときに適切な応急手当てが行えるよう、引き続き学校における指導に努めてまいりたいと考えております。

 次に、スポーツ施設へのAEDの設置等についてのお尋ねでございます。

 県内スポーツ施設へのAEDの設置状況は、先ほど小林健康福祉部長から答弁を申し上げたとおりでございますが、県民が安心してスポーツに親しむために、スポーツ施設等におけるAEDの普及は重要な取り組みであると認識をしております。

 そのため、教育委員会では、現在展開している長野県スポーツ推進計画において、スポーツにおける安全確保の一施策としてAEDの活用を掲げ、市町村教育委員会に対する救急処置の体制整備に向けた通知や民間事業者も対象にしたスポーツ施設等安全管理講習会などにより、AEDの普及啓発に取り組んでいるところでございます。

 今後ともAEDの設置や適切な使用につながるよう、市町村など関係機関と連携をし、普及啓発に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆山岸喜昭

 

 普及活動に前向きに取り組んでおられますこと、本当に御苦労さまでございます。今後、インバウンドの強化によりまして、本県にも外国人旅行者が多数訪れることが予想されます。もちろん喜ばしいことでありますけれども、その一方で、AEDを使わなければならない状況もふえてくるわけであります。

 見知らぬ人が目の前で倒れたときに、ちゅうちょなくAEDを使うことができるでしょうか。私は目の前であっても、できなかったわけでございます。先ほども申しましたが、使うためには勇気が必要であり、勇気は定期的な訓練でしか生まれません。県民一人一人が自分のこととして問題意識を持ち、そして行動できるよう県の取り組みをお願いいたしまして、質問を終わります。