平成27年 6月定例県議会 発言内容(堀場秀孝議員)


◆堀場秀孝

   

 上田市・小県郡区選出、堀場秀孝でございます。国道254号ミニバイパス建設整備について伺います。

 国道254号は、首都圏と本県を結ぶ幹線であり、佐久市を経て松本市へと県土の中央部を東西に横断し、物流や交流はもとより、地域振興や観光面からも極めて重要な幹線道路であり、災害時の緊急輸送路でもあります。また、市街地各所においては生活幹線道路としても使用されています。

 中でも、昭和51年10月開通した三才山トンネルは、東信地域と中信地域を短時間で結ぶ幹線であり、国道18号や上信越自動車道東部湯の丸インターとの連絡もスムーズで、関東圏と中京、関西を結ぶ重要物流路線としても大きな役割を担っております。

 県土全体から見る国道254号の整備状況は、佐久、松本地域では一定の整備が進んでいる反面、大型車両の混入率が非常に高く、通過する上田市丸子地域の和子交差点から鹿教湯交差点間約9キロメートルについては、幅員狭小、急カーブの箇所が多いため事故発生率が高く、事故に伴う通行規制も多々発生しております。先月も事故がありました。

 また、沿線集落の重要な生活道路でもあることから、平井寺、三才山トンネル無料化の実現により交通量が増加し、沿線住民の交通災害や環境悪化が現在に増して懸念されるところであります。

 このような状況下において、県は、日常的に支障が生じないよう、低音性、排水性舗装や急カーブの改良により改善を図るなど、少しずつではありますが整備がなされています。

 本格的な対策のバイパス計画は、沿線集落住民の振動、騒音、歩行者の安全に配慮した、集落を迂回するミニバイパス化を決定し、現在3カ所で地元協議が進められている状況であります。平成30年の平井寺トンネル、平成33年の三才山トンネルの無料化を控え、沿線集落住民は一日も早いミニバイパスの早期同時完成を強く願っているわけであります。

 3カ所のミニバイパスの進捗状況について奥村建設部長にお聞きします。

 また、平井寺、三才山両トンネルの無料化までにミニバイパスの完成が間に合わない場合、両トンネルの無料化の時期について現時点での県のお考えを知事に伺います。 

 

  

◎建設部長(奥村康博)

 

 国道254号の上田市東内から西内の道路整備についてのお尋ねでございます。

 安全対策や沿道環境改善を図るため、和子、荻窪、平井の3地区で合わせて4.4キロメートルのバイパス事業を平成22年度に着手し、測量、設計を経て、平成24年度から地元協議を進め、用地測量まで実施しております。本年度は事業費3億5,000万円で各地区の用地買収を進め、和子地区では工事に一部着手したいと考えております。

 引き続き地域の皆様の御理解をいただきながら、三才山トンネルの料金徴収期間を念頭に、バイパスの早期完成を目指してまいります。

 以上でございます。   


◎知事(阿部守一)

 

 有料道路の無料化の時期についての御質問でございます。

 料金の徴収期間につきましては、平井寺トンネル有料道路が平成30年8月、三才山トンネル有料道路が平成33年6月までという形になっております。早期無料化の御要望もございますが、負担と受益のあり方、あるいは財政的な観点、こうしたことを慎重かつ十分に検討していくことが必要だというふうに考えています。

 ミニバイパスにつきましては、三才山トンネルの料金徴収期間を念頭に、確実に整備を進めていきたいというふうに考えています。

 以上です。 

  

◆堀場秀孝

 

 ぜひ、無料化前のミニバイパスの同時完成を強く要望いたします。

 道路交通法の一部改正と自転車のルールとマナーの周知方策について伺います。

 重大な事故につながる危険行為を繰り返した自転車の運転者に安全講習の受講を義務づける改正道路交通法が先月6月1日に施行となり、自転車利用者の中には正しいルールを理解しないまま自転車を運転しているのではないかと思わざるを得ない方々も見受けられます。

 例えば、歩道にある標識はどんな意味なのか、歩道を自転車で通行できるのはどのような場合であるのか、また、自転車は自動車用の信号機に従うべきか、あるいは歩行者用の信号に従うべきかなど、正しい通行方法や道路標識の意味などについて子供のうちからしっかりと教育をしていくことが今後一層重要になると考えます。

 また、観光地におけるレンタルサイクルの利用者も増加すると考えます。

 そこで、自転車運転者講習制度の概要、県内の自転車が絡む交通事故の発生状況及び自転車のルールとマナーの周知方策について警察本部長に伺います。

 小中学校における自転車のルール、マナーの教育、指導状況については教育長に伺います。 

         

◎警察本部長(山崎晃義)

 

 まず、自転車運転者講習制度について御説明させていただきます。

 この講習制度は、自転車の運転に関し信号無視や一時不停止など14の違反形態に該当する危険な行為により3年以内に2回以上検挙された運転者に対しまして公安委員会が講習の受講を命じ、遵法精神を醸成するという制度で、受講の命令に従わない場合には5万円以下の罰金が科せられるものであります。

 次に、県内の自転車事故の発生状況ですが、全事故に占める自転車事故の割合は本年6月末現在で1割強であり、死者数は4人、うち御高齢者が3人、高校生が1人となっております。また、自転車が関与した交通事故の6割以上で自転車側の法令違反が認められるなど、遵法精神の醸成が課題であります。

 議員から御指摘いただきましたとおり、自転車の安全な乗り方を定着させるためには、子供のときから正しいルールやマナーを身につけさせるということが何よりも重要であります。そこで、小学生から大人まで年代別に自転車安全教育を行っておりまして、例えば交通安全子供自転車大会の開催、スタントマンによる交通事故疑似体験教室や自転車安全利用モデル校の指定、自転車シミュレーターを活用した交通安全講習など、啓発に努めているところでございます。

 加えて、危険な違反行為を繰り返す自転車利用者に対しましては、自転車指導警告票を交付した街頭指導を行っております。

 今後も、関係機関・団体と連携し、より効果的な交通安全教育を実施してルールとマナーの周知に努めてまいります。 


         

◎教育委員会教育長(伊藤学司)

 

 小中学校におきます自転車の安全利用に関する指導についてのお尋ねにお答えを申し上げます。

 平成26年において小学生は57人、中学生は85人が自転車の乗用中に負傷しており、自転車を安全に利用するための指導は学校における安全教育において重要な課題であると考えてございます。

 児童生徒の自転車安全走行については、保健体育の授業や学級活動における指導及び特別活動での交通安全教室で、内閣府の中央交通安全対策会議が定めた自転車安全利用五則にある、子供はヘルメットを着用する、2人乗りや並列走行の禁止などの交通ルールや運転マナーを発達段階に応じ指導しているところでございます。

 また、中学校では、先ほど警察本部長のほうが説明をいたしました、本年6月に施行された道路交通法の改正に基づきます自転車運転者講習が14歳以上の自転車運転者が対象となることから、歩道通行時の通行方法違反や一時停止違反などの危険行為の防止指導についても改めて徹底を呼びかけたところでございます。

 児童生徒が交通ルールを遵守することの重要性を理解し、悲惨な交通事故に遭わないことはもちろんのこと、加害者にもならないための教育を、今後も、県警察本部を初め、保護者、地域と連携をし、徹底してまいりたいと考えております。


◆堀場秀孝

 

 警察本部長に再度質問いたします。

 この夏から、県外の観光客の方が自転車でサイクリングを家族ですることが考えられます。観光客に対する周知の方法はどのようなものか。お聞きいたします。

 自転車の歩道の通行について伺います。

 道路交通法上、自転車は車両扱いとなるため基本的に車道を通行しなければならないとされていますが、運転者が13歳未満もしくは70歳以上、または身体に障害を負っている場合や安全のためやむを得ない場合などは歩道を通行することができるとされています。

 児童や高齢者が利用しやすい歩道とすることも必要と考えますが、現在、フラットな歩道がある一方、段差があるいわゆる波打ち歩道の区間も存在しております。こうした段差のある歩道について建設部長に対応をお聞きします。

 また、歩道や車道脇に捨てられたごみや、これからの季節、成長した雑草など障害物の除去も必要と考えますが、あわせて建設部長にお伺いいたします。

         

◎警察本部長(山崎晃義)

 

 ただいま、外国人、また観光客に対します自転車運転者に対する安全対策についてのお伺いがございました。

 私どもとしても、外国人の運転者に対しても自転車の安全運転に対しまして広く啓発をしていきたいというふうに考えているところでございます。

 次に、例外的な場合における歩道における進行ということでございますが、基本的に自転車は軽車両ではあります。ただ、安全が確保されなければいけない場合においては例外的に歩道を通行できるということになっておりますので、この旨を周知してまいりたいと思っております。   


◎建設部長(奥村康博)

 

 段差のある歩道、いわゆる波打ち歩道への対応と道路上の障害物の除去に関するお尋ねでございます。

 波打ち歩道は高齢者や自転車にとって利用しにくい状況となっていると認識しております。そこで、歩道の段差の解消を図る歩道リメーク事業を県内209カ所を対象に実施しておりまして、現在までに145カ所で事業が完了しているところでございます。

 事業の実施に当たりましては、利用状況や沿道の状況を踏まえまして、地域の皆様に御理解と御協力をいただきながら計画的に整備を進めてまいります。

 また、道路上や歩道の雑草やごみの除去についてでございますが、建設事務所が行います道路パトロールの際に状況を確認し、必要に応じて草刈り等を行うとともに、道路愛護活動に取り組んでおられる住民の皆様の御協力もいただきながら道路の管理に努めております。

 引き続き、自転車利用者を含め、県民の皆様が利用しやすい歩道の整備、管理に取り組んでまいります。

 以上でございます。


◆堀場秀孝


 昨今、健康長寿のために早朝御夫婦でウオーキングをされている方をよく見受けます。今、建設部長に答弁いただきました。健康を目指す方が事故に巻き込まれないような、そんな道路を整備をしていただきたいと思いながら、また、観光客の皆様が長野県に来てよかったな、また来たいなということが発信できるような地域になるように頑張っていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。