平成27年11月定例県議会 発言内容(寺沢功希議員)
◆寺沢功希
松本市から新潟県糸魚川市に至る延長約100キロメートルの地域高規格道路松本糸魚川連絡道路、広域的な交流、連携、また、北アルプスの雄大な山々や日本海の海洋リゾートなど観光資源の豊かな地域を結ぶ広域観光ルートとして期待されており、さらには、緊急時、災害時の利用の点から命の道路と表現される方もおられます。
そこで、建設部長にお聞きします。
平成6年に候補路線指定がされ、その後、起点及び計画ルートの変更等紆余曲折があり、平成23年、仮称安曇野北インターチェンジを起点とし、高瀬川右岸道路に接続する安曇野地域の概略ルート案が公表され、安曇野地域の住民説明会の開催と同時にパブリックコメントが実施されました。
その後、公の発表がありませんが、計画の進捗状況をお答えください。
◎建設部長(奥村康博)
松本糸魚川連絡道路の計画の進捗状況についてのお尋ねでございます。
昨年度来、長野道から大町市街地南の間において、起点部は犀川下流寄りのBルートを基本としつつ、20年と23年にお示しした案とそれに対する御意見を踏まえた検討を実施してきております。
具体的には、設計速度が時速60キロメートルと80キロメートル、ルートも高瀬川の右岸と左岸という各ケースについて再検証し、地域高規格道路としての事業化が可能となり得る道路計画案を作成してきたところでございます。
現在、この計画案に関しまして国土交通省及び東日本高速道路株式会社等との協議を実施中であり、一定の理解が得られ次第、関係する市町村にお示しする予定としております。
以上でございます。
◆寺沢功希
本年6月、松本市で開催された松本糸魚川連絡道路建設促進期成同盟会の総会において、県側から、現在検討中である安曇野地域の概略ルート案、Aルート、Bルートのうちどちらかをことしじゅうに決定し公表するという趣旨の発言がありました。
そこで、建設部長にお聞きします。
12月に入り、ことしも残すところ1カ月を切りましたが、県としての方針はお決まりになったのでしょうか。もしお決まりでしたらこの場で発表していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
◎建設部長(奥村康博)
次に、公表しようとする方針の内容についてのお尋ねでございます。
道路計画の案につきましては、先ほど申し上げましたとおり、現在、国等と協議中でございます。今後、関係する市町村に計画案をお示しするとともに、公表内容についても御相談し、その上で地域の皆様に御説明してまいりたいと考えております。
したがいまして、現段階でその内容をお示しすることはできませんが、早期の公表を目指してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆寺沢功希
早期の公表を目標にとおっしゃられましたが、残すところ平日で数えてあと17日程度しかありません。再度、細かいスケジュール、市町村への連絡はいつになるのか、また県民への発表はいつになるのか。改めて再度建設部長にお聞きします。
続いて、現道の整備状況を考慮し、現在の計画ルートを見たとき、優先順位としては、起点の決定及び付近の整備というより、まずは大町以北の整備に早急に取り組むべきだと考えます。
そこで、建設部長にお聞きします。
今後の計画の進め方についてはどのようにお考えでしょうか。また、スケジュールについてもあわせてお答えください。
◎建設部長(奥村康博)
公表時期についての再度のお尋ねでございます。
先ほど申し上げましたとおり、現在、国等と協議を行っているところでございますので、協議が調いました後、関係する市町村に対して公表方法についても御相談し、その上で地域の皆様に御説明してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、県としては早期の公表を目指して努力してまいりたいと考えております。
次に、県内ルート全体の整備の進め方についてのお尋ねでございます。
本年10月、沿線の市町村、市町村議会並びに商工会で構成される本路線の期成同盟会から、仮称安曇野北インターから大町市街地南間、糸魚川市内の西中地区及び小谷村雨中地区を優先的に取り組むことという御要望をいただいております。
もとより、松本糸魚川連絡道路は高規格幹線道路網を補完する地域高規格道路でございますので、整備効果を発現させるためには高速道路との接続が不可欠でございます。この点からも起点部の整備を最優先と捉え、地域の合意をいただいた上で早期の事業化を目指してまいります。
一方で、大町市以北の整備も重要と認識しております。昨年度、権限代行によりまして小谷道路が完了したほか、平成23年度から小谷村雨中バイパス、また本年度から白馬村通の改築事業に取り組んでおりまして、国道148号の機能強化という観点からも整備を進めてまいります。
以上でございます。
◆寺沢功希
計画のさらに細かい点についてお聞きしたいこともございますが、それにつきましては後日委員会におきまして再度質問させていただくことにいたしまして、次の質問に移らさせていただきます。
続いて、去る10月1日に来年度の公立学校教員採用選考の2次選考合格者が発表され、教員の異動についての検討が本格化する時期になりました。
教育委員会では、平成28年度採用教員から、自宅など生活基盤がある本拠地やその周辺地域での勤務をふやす方針を決定するなど改革が行われております。
そこで、教育長にお聞きします。
現在、教員の異動、特に中学校においてはどのような要件が考慮され赴任先が決定されているのでしょうか。お答えください。
◎教育委員会教育長(伊藤学司)
教員の人事異動方針についてのお尋ねでございます。
教員の人事異動につきましては、全県的な教育水準の向上を期すとともに、各学校の課題解決に資するよう、校長の希望を踏まえ、適材を適所に配置することを基本に人事異動方針にのっとって行っているところでございます。
具体的には、中学校においては、教科担任制をとっていることから、各教科の担当教員を確実に配置することを最優先としつつ、異動対象となる教員の資質、能力や、当該校の在職年数、担任や学年主任などの経験業務、居住地やこれまでの赴任地、学校全体の年齢構成等さまざまな事情を考慮し、適切な学校運営ができるように決定しているところでございます。
◆寺沢功希
部活動の成績のよしあしは、指導者、顧問によるところが非常に大きいわけであります。中学校の現状をお聞きする中で、その種目の経験がないにもかかわらず顧問についている例が多々あるようです。これは運動部に限らず、経験がないのに音楽の教師という理由で合唱部の顧問についたり、楽器の経験がないのに吹奏楽の顧問についている例もあるようです。
子供たちは、この中学時代のわずか3年間の部活動に自分の夢、可能性をかけています。それを当たり外れの一言で片づけてしまうのは余りにもかわいそうです。また、将来のダイヤモンドの原石を見過ごしてしまっている可能性もあるのです。さらに、運動部においては、未経験者の顧問のもとでは事故が起きる可能性が非常に高くなると思われます。
そこで、教育長にお聞きします。
中学校の教員の異動、赴任先の決定に際して、部活動の顧問に関する経験も考慮する条件に加えていただけないでしょうか。また、顧問につく経験者、適任者がいない場合に、外部講師を起用できるような予算を含めた環境整備をお願いできないでしょうか。お答えをお願いいたします。
◎教育委員会教育長(伊藤学司)
教員の人事異動における部活動顧問の経験についてのお尋ねでございますが、まず、先ほど申し上げましたとおり、教員の人事については校長の学校運営上の課題に即した人事構想に基づく希望を踏まえて行っているものであり、部活動の指導者につきましても、学校運営上の諸課題の一つとし、当該校における部活動をめぐる課題や学校としての運営方針等に基づきまして、その学校が求める教員の資質や能力、全体を踏まえながら、県全体の中で適材を適所に配置しているところでございます。
次に、部活動における外部指導者の起用についてのお尋ねでございますが、少子化に伴い学校の小規模化が進む中で、教員のみでは十分な指導ができる顧問の確保が難しくなってきてございます。こうした中、学校では、教員のみならず、地域のスポーツ指導者や保護者など地域の皆様の協力を得ながら部活動の指導を行う取り組みが始まってきているところでございます。
また、県教育委員会といたしましても外部指導者の活用を推進しており、運動部活動におけるトップアスリートやアスレチックトレーナーの派遣事業のほか、外部指導者に対する研修会を開催し支援してきているところでございます。
こうした取り組みにより、例えば運動部活動では188校中158校の中学校において何らかの形で外部指導者を活用しているところでございますが、今後とも、外部指導者活用の支援や信州型コミュニティスクールの推進による地域人材の協力体制の構築によって中学校における外部指導者の活用が進むよう取り組んでまいりたいと考えております。
◆寺沢功希
部活動のあり方について昨今さまざまな議論がなされております。県の施策の中にも将来の有力選手を育てる事業も幾つかあるわけであります。子供たちのあらゆる可能性を潰すことのないよう、10代というわずかな期間を有意義に、また格差のないように県として対応していただくことをお願いいたしまして、次の質問に移らさせていただきます。
朝の通勤時間帯、信じられないスピードで住宅街、通学中の子供たちの横を通り抜ける車を目にすることがあります。通学中の子供の列に車が突っ込んだといった悲しいニュースも、残念ながら珍しくないことです。
そこで、教育長にお聞きします。
県内の分校1校を含めた公立小学校全368校の中には、最も子供たちが集中する校門に接する道路に歩道が設置されていない学校もあります。学校周辺における子供たちの通学を取り巻く環境について、市町村の管轄範囲かと思いますが、県としてはどの程度把握され、またどのように対応されておられるのでしょうか。
また、警察本部長にお聞きします。
同じく県内の公立小学校のうち、周辺道路に自動車の進入禁止が設定されている学校はどのぐらいあるのでしょうか。お答えください。
◎教育委員会教育長(伊藤学司)
県内の子供たちの通学環境についてのお尋ねにお答えを申し上げます。
平成24年4月に、京都府において、通学中の児童等の列に車が突っ込んで10人が死傷するという痛ましい事故が連続して発生したことを受け、小学校の通学路について、全国一斉に、市町村教育委員会、警察、道路管理者等による緊急合同点検が実施をされました。
この調査において本県では2,091カ所について何らかの安全対策が必要であることが確認され、この結果を踏まえ、歩道や信号の新設、ゾーン30による速度規制、また地域住民による登下校の見守りなど、所管する機関がそれぞれ計画的に安全対策を推進しているところでございます。
小学校の通学路の安全確保につきましては、市町村教育委員会に対し、通学路の交通安全の確保に向けた取り組みの基本的方針を策定するとともに、学校、PTA、警察、道路管理者などを含む関係機関が定期的に協議するなど、継続して取り組みを求めているところでございます。
通学路における児童生徒の悲惨な交通事故をなくすため、市町村教育委員会や関係部局等と緊密に連携を図るほか、学校における指導力の向上にも努め、通学路の安全確保を推進してまいる所存でございます。
◎警察本部長(尾﨑徹 君)御質問の県内の小学校の校門に接する道路における交通規制の実施状況についてお答えいたします。
通学路の交通規制につきましては、一般的に、通学時間帯等に車両の通行を禁止する歩行者用道路や車両通行どめ等の交通規制により車両の進入を禁止しているところでございまして、平成27年11月末現在で、校門に接する道路についてこれらの交通規制が行われている小学校は40校ございます。
◆寺沢功希
通学路の安全対策として歩道の設置は必要不可欠です。しかし、平成25年9月の京都府八幡市での事故など、歩道を登校中の子供たちが犠牲になることも多く、決して歩道イコール安全ということが言えない時代になってきています。歩道があるがゆえに、運転者は安心し、よりスピードを出してしまうと指摘する専門家もおられます。
そこで、警察本部長にお聞きします。
子供たちにとって、車が通らないこと以上の安全はありません。それは現実的に不可能なことではありますが、せめて子供たちが最も集中する校門に接する道路だけでも、登校時間帯に限り、時間帯別自動車進入禁止の規制がかけられれば安全性は向上します。
しかし、この規制をかけるためには、交差点から交差点の区間、沿線住民の同意、沿線に不特定多数の方が利用する施設がある場合は全利用者の同意ほかさまざまな条件があり、また非常にハードルが高いものであると聞いております。
そこで、学校に接する道路に限ってこの条件の緩和はできないものでしょうか。お答えをお願いいたします。
◎警察本部長(尾﨑徹)
小学校の校門に接する道路における交通規制の条件についてお答えいたします。
小学校の通学路における通行禁止等の交通規制に関しましては、個別に道路環境等の交通実態を把握した上で、学校関係者や沿線住民の意見、要望を踏まえ、規制を実施して車両の通行を禁止しているところでございます。これは一般的な交通規制と同様で、小学校の通学路における交通規制に特別な条件を設定しているわけではございません。
警察といたしましては、子供の通学路の安全を確保することは極めて重要であると認識しているところでございますけれども、その一方で、通行禁止を行うことによって不利益が生じる沿線住民の方々の意見、要望も十分に考慮して交通規制を実施することも必要であると考えております。
実際に通学路における交通規制を行う場合は、通学児童の安全確保の観点から比較的沿線住民の賛同が得られやすい傾向でございます。
今後も必要な場所に交通規制を実施し、通学路における児童の安全を確保してまいりたいと考えております。
◆寺沢功希
先ほどの教育長の答弁の中にもありましたが、ここ数年、通学路にゾーン30を設定する地域がふえております。また、このゾーン30を設定する際は、設定エリアへの進入路全てに区域規制標識の設置、道路面への表示、グリーンベルトの設置など、かなりの費用がかかるようです。
そこで、警察本部長にお聞きします。
このゾーン30を設定した地域においては実際効果が出ているのでしょうか。また、エリア内においては時速30キロメートルの速度規制が適用されるわけですが、そもそも、設定される区域が住宅街であり、生活道路のため、広い場所が確保できないという理由から速度違反の取り締まりが行われていないというのが実情のようです。
抜け道として通行する行為の抑制を図ることが目的でありますが、実際取り締まりが行われない状況で、エリアを設定し、標識の設置、路面への表示をすることが運転者に対して抑止力となるのでしょうか。取り締まりが行えないのであれば、せめて、エリア内に立ち、監視する等の対応が必要ではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。
◎警察本部長(尾﨑徹 君)ゾーン30に関連して2点お答えいたします。
最初に、ゾーン30の整備効果でございますけれども、ゾーン30の整備につきましては、生活道路等における歩行者保護、被害軽減の観点から、原則、最高速度30キロ規制を基準とした面的なゾーン30規制を整備しているところでございます。
ゾーン30の整備効果でありますけれども、平成24年度に県下で整備した区域において整備前6カ月間と整備後6カ月間において人身交通事故の発生件数が約66%減少しており、平成25年度中に整備した箇所においても50%の減少でございまして、著しい速度超過に起因する交通事故の発生はなく、速度抑制による一定の効果が図られているものと判断しております。
こうしたことから、県下におきましては平成27年3月末現在で県下45区域において導入しております。
また、本年度も新たに15区域において整備する予定でございます。
続きまして、ゾーン30区域内の取り締まりの関係でございますけれども、ゾーン30の設定は、議員御指摘のとおり、生活道路等の歩行者優先や通過交通の抑制を基本的な目的として、その対策は区域内の速度規制と道路管理者による狭窄や植栽などの物理的デバイスによって速度抑制を図るものでございます。
ゾーン30に指定されている区域は小中学校等の周辺または生活道路を含む区域を優先的に設定しておりますことから、警察としましては、区域内での通行禁止、横断歩行者妨害、一時停止違反等の交通指導取り締まりを実施しているほか、毎月複数回の県下一斉の通学路取り締まり強化日を設けて取り締まりを実施しているところでございます。
今後も、引き続き、通学児童生徒の安全確保を図るため、通学路における街頭活動を強化してまいります。
以上でございます。
◆寺沢功希
平成24年度に、教育委員会、学校、PTA、警察、道路管理者等により通学路の緊急合同点検が実施されました。
そこで、建設部長にお聞きします。
しあわせ信州創造プランでは、平成24年に46%であった通学路の安全対策着手率を平成29年に100%にすると記載されておりますが、現在までの状況をお聞かせください。
また、現在の完了率と、完了率100%達成はいつごろになると見込まれておりますでしょうか。さらに、道路環境が日々変化する中、今後、再度合同点検を行う予定はありますでしょうか。お答えをお願いいたします。
◎建設部長(奥村康博)
通学路の安全対策についてのお尋ねでございます。
しあわせ信州創造プランに位置づけております要対策箇所に対する通学路安全対策着手率につきましては、平成27年度中には目標の約9割に当たる485カ所の対策に着手し、約7割に当たる401カ所の対策が完了する予定となっております。
平成29年度には目標の546カ所全ての箇所について着手し、着手率は100%になる予定です。
全箇所の完了につきましては、用地取得等時間を要する箇所もあり、平成33年度末となる見込みでございます。
一斉の合同点検につきましては当面実施する予定はございませんが、通学路ごとの道路環境の変化に対しましては、地域の実情にあわせ個別に点検、対策を行うなど、今後とも柔軟に対応してまいります。
引き続き、警察や学校関係者、地元の皆様と連携し、通学路の安全対策を重点的に進めてまいります。
以上でございます。
◆寺沢功希
車を運転していると子供たちがいて危ないから歩道をつくってほしいといった、まるで子供たちを邪魔者扱い、邪魔者を横に追いやるような考えの方もおられるのも現実であります。
誰を主として考えるのか、誰が弱者なのかということを改めて考え、何か事故が起きたときに、もっと早く対応しておけばなどと決して後悔しない環境整備をお願いいたしまして、私からの全ての質問を終わらせていただきます。