平成28年11月定例県議会 発言内容(堀場秀孝議員)


◆堀場秀孝

   

 上田市小県郡区選出、信州・新風・みらい、堀場秀孝でございます。

 高等学校の総合学科制度の状況について、中学生の朝部活禁止と大会、発表会の結果について、教育長に伺います。

 学びの改革を掲げ、高校再編に向けて取り組んでいますが、地域バランスや県内総合学科高校の状況や今後の方向性について伺います。

 総合学科高校には、進学コースがない、専門課程が2年間なので各種の資格取得が在学中に取れず、卒業時に資格が取得できないなど、普通高校との格差があるとは、ある中学生の保護者の話です。

 県内総合学科高校のこれまでの経緯と今後の方向性について、教育長に伺います。

 中学生の朝部活禁止について、本年で3年が経過しましたが、当初の成果目標がどのような状況なのか、教育委員会ごとの温度差はあったのか、それらの結果から今後の方向性はどうなのか、大会、発表会等の成果に変化が認められたのか、教育長に伺います。

  

◎教育長(原山隆一)

 

 まず、県内総合学科高校についてのお尋ねでございます。

 総合学科では、1年次は全員が同じカリキュラムで学習しておりまして、学科特有の科目であります産業社会と人間の学習におきまして、自己理解、職業理解を図ることが1年次の特色でございます。そして、2年次、3年次に自己の興味関心、進路希望に合わせて、みずから作成したカリキュラムで主体的、意欲的に学習に取り組み、進路実現を図っているところでございます。本県では、平成12年度の塩尻志学館高校への設置を初めといたしまして、現在までに丸子修学館高校を含め5校設置しているところであります。

 平成27年度に実施しました高等学校意識調査では、3年生を対象とした教育課程に対する満足度におきまして、総合学科で学んだ生徒の満足度は、県の平均を大幅に上回っております。

 また、総合学科を設置している多くの高校では、志願倍率が高い傾向にありまして、中学生、保護者の期待のあらわれと考えられております。

 議員御指摘のとおり、総合学科への転科によりまして、取得が困難な資格検定が一部ある一方で、新たに取得可能となった資格検定もありまして、それらを含め、総合学科は普通科や専門学科とは異なる新たな学科であり、多様な学びの選択肢の一つとして、その特色がより広く理解されるよう、中学生、保護者に丁寧に説明するとともに、地域のニーズ等を踏まえ、必要に応じて今後の設置も検討してまいりたいというふうに考えております。

 続いて、朝部活禁止と大会結果についてですが、運動部活動調査によりますと、朝部活を原則実施していない中学校の割合は、平成25年度3.2%から平成26年度18.6%、そして平成27年度では79.1%というふうに大幅に増加しておりまして、年々浸透してきているところでございます。

 一方で、市町村教育委員会、または学校により取り組みの差がありまして、引き続き朝部活を実施している学校が20%以上あることも事実であります。

 それから、指針策定後における中体連の大会における北信越大会入賞者数、それから全国大会出場者数、文化部のコンクールにおける全国大会出場校数等を見ますと、これまでと大きく変わらないことから、指針による影響はないというふうに考えております。

 指針の趣旨に沿った取り組みが十分進んでいない中学校には、個別にヒアリングするなどした上で、適切な活動となることを目指して策定されたこの指針の趣旨を踏まえた運営になるよう、今後も粘り強く働きかけてまいりたいというふうに考えております。

 

◆堀場秀孝

 

 教育長に伺います。

 3年で20%がまだしているという状況に関しましては、もうちょっと詳しい御所見をお願いしたいと思います。

         

◎教育長(原山隆一)

 

 この指針につきましては、中学校の運動部の活動、スポーツの活動が中学生の成長に最もふさわしい活動となるようなことを目指して指針を策定したわけでございます。そして、朝部活を実施することが、スポーツ活動する生徒たちにとって、生活のリズムでありますとか、あるいはスポーツそのものを上達するためのやり方としてふさわしいかどうか、そして今後、それらを踏まえて、生涯、スポーツが自分の生きがいとなるような、そういう活動になるようにということで定めたものでございまして、その趣旨を今後しっかりと徹底していきたいと思っております。朝部活を原則禁止という指針の趣旨をさらに徹底してまいりたいというふうに考えております。

 

◆堀場秀孝

 

 運動部の指針ということなんですけれども、ある中学校の校長さんいわく、朝練につきまして、運動部がだめなんだから文化部もだめだよと、そういう声も聞かれます。特に吹奏楽部などの顧問の方からは、やはりある程度の練習は必要だよという現場の声もあります。ある程度は校長さんの裁量があると思いますので、多分全面的に禁止にはできないと思いますけれども、これからどうするのかは、検討を強く要望いたします。

 また、総合学科に関しては、教員採用の考え方も変えながら、やはり総合学科高校が地域にとって魅力のある学校になるように、なおかつ中学生の父兄が、普通科高校もいいけれども、総合学科に行って、いい資格なり知識をつかめということが言えるような方向になることを要望いたします。

 知事に伺います。県営野球場の方向性についてであります。

 伊那県営野球場が来年度から伊那市へ移譲することが12月の伊那市議会で可決予定とお聞きするところです。県営の長野運動公園野球場、上田野球場、飯田運動公園野球場も、それぞれ地元の市へ移管すべく協議に入っているとのことです。長野県から長野県の県営野球場がなくなるということでしょうか。知事のお考えをお聞きします。

 次に、林務部長にお聞きします。

 鳥獣被害対策と射撃場の整備についてであります。

 鳥獣被害対策で、猟友会と連携して被害対応に当たっていることは、県民といたしましても心強い限りです。

 その猟友会の人の話によると、射撃練習場の整備がおくれているとのことでした。射撃練習場は山合いにあり、土砂災害が起きやすく、射程距離も短い射撃練習場がほとんどだということでした。

 県の対策と、ライフル銃の射撃練習場の整備状況や鳥獣被害対策との関連について、今後の対応を林務部長に伺います。

         

◎知事(阿部守一)

 

 県営野球場についての御質問でございます。

 県営野球場につきましては、県の行政財政改革方針、それから長野県のファシリティマネジメント推進会議で策定をいたしました施設の有効活用・転用集約化計画に基づきまして、所在する市への移管に向け、協議を行っているところであります。

 県内には、例えば長野市が所有する長野オリンピックスタジアム、あるいは松本市が所有する松本市野球場など、プロ野球が開催できる野球場もございます。野球場が必ずしも県営である必要はないというふうに考えております。

 以上です。

 

◎林務部長(池田秀幸)

 

 鳥獣被害対策と射撃場整備についてのお尋ねでございます。

 長野県内には、12カ所の射撃場がございまして、そのうち有害鳥獣捕獲等の訓練が行われているライフル射撃場は6カ所でございまして、全国でも2番目に多い状況でございます。

 県では、これまで射撃場の整備を支援しておりまして、ライフル射撃場についても、大町総合射撃場での射程100メートルのライフル射撃場の新設でありますとか、菅平射撃場での標的整備と排水施設の改修、また木曽国際射撃場でののり面保護工事など、必要な整備を支援してきたところでございます。

 有害鳥獣の捕獲には、猟友会の皆様の協力が不可欠でございまして、これらの射撃場の活用により、安全で効果的な捕獲技術の向上や、鹿などの捕獲の担い手育成が図られるものと考えております。今後も、各射撃場からの要望をお聞きしながら、しっかりと対応してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆堀場秀孝

 

 答弁いただきました。

 林務部長には、鳥獣被害対策は、短期的、長期的に計画性を持って対応するよう要望いたします。ニホンジカ対応は、ジビエとの関連もあります。観光資源の確保にも影響があると考えます。部局横断で対応することを強く要望いたします。

 県では、スポーツコミッションが設立されました。松糸道路が整備され、中部縦貫自動車道、中部横断自動車道、三遠南信自動車道等が利用できるようになり、松本空港が整備されると松本地域は大きな変化が起こるだろうと感じるのは、私だけではないはずです。

 それを見越して、県営野球場を一つにする、大きな変化が期待できる松本地域に県営野球場を新設する、長野県に多くの人々が訪れると考えますが、知事、いかがでしょうか。

 

◎知事(阿部守一)

 

 松本地域への県営野球場の設置についてという御質問でございます。

 先ほどお答え申し上げたような方向で、現在の県営野球場は市町村への移管協議を進めているところであります。新たな県営野球場の設置ということにつきましては、現段階では考えておりません。

 以上です。

 

◆堀場秀孝

 

 答弁いただきました。現段階ではという答弁でございました。目先のことはもちろんでございます。長期的に見て長野県がすばらしい県になること、県民が住みやすく、暮らしやすく、他県から移住交流がふえることにさらに御尽力されることを要望いたしまして、質問を終わります。