平成28年11月定例県議会 発言内容(依田明善議員)
◆依田明善
森林認証について御質問させていただきます。
森林認証という言葉は日本においてはまだまだ認知度が低いと思いますが、この制度の意義、あるいはメリットやデメリットはどこにあるのか。そして、この国際的な認証制度が、独自の森林政策を推進している日本の林業の発展につながるのか否か。つなげていくためには、どのような取り組みを国や県、あるいは林業関係者が行っていくべきなのか。そんな観点から御質問をさせていただきたいと思います。
森林認証制度は、もともと違法な森林伐採や森林における自然破壊等が深刻化している海外においてその対応策として生まれた制度であります。植林、育林、伐採、運搬、流通等において常に目を光らせ、適正な森林計画や管理がなされた木材のみが認証を受けるという仕組みであります。
消費者側から見れば、由緒正しい木材を手に入れることへの安心感や、自然保護、環境保全に対してみずからも貢献しているんだといった満足感を得ることにもなろうかと思います。ただし、裏を返せば、認証を受けていない木材には否定的なレッテルを張られてしまう危険性もあり、言い知れぬ不安を個人的には抱いております。
さて、この森林認証ですが、世界的には大きく分けて二つの団体がございます。一つは、PEFCというヨーロッパ11カ国とアメリカ、カナダが参加する団体であります。もう一つが、FSCという世界自然保護基金を中心として発展してきた団体であります。
実は、我が国においてもSGECという国際認証団体があります。日本の場合は、人工林のウエートが高いことや、個人の森林所有者が多いという特殊な事情が背景にあります。そんな日本の実情に合わせるために発足したのがこの団体であります。
次に、この森林認証の仕組みですが、大きく二つに分けられます。その一つがFM認証であります。これは、主に森林管理がしっかりとなされている森林に対してお墨つきを与えるもの。もう一つがCoC認証であります。これは、木材の流通や加工体制がしっかりとなされている流通加工業者に対してお墨つきを与えるものであります。
では、木材の品質はどうなのか。残念ながら、その制度上、品質のよしあしは評価されません。例えば、木曽ヒノキの香りのよさ、木目の美しさ、すぐれた耐水性といった点をどんなにアピールしても、それは認証を取得する条件にはならないということであります。
県としては、この制度の仕組みや意義等をどのように考えておられるのか。林務部長の御見解をお伺いしたいと思います。
次に、本県における森林認証の取り組み状況でありますが、上小地域では官民ともに実績がありますし、佐久地域におきましても、本年2月1日に佐久地域の9市町村や県林務課が「信州カラマツの故郷~佐久森林認証協議会」というものを設立し、盛り上がりを見せております。しかしながら、他の地域では動きが鈍いようであります。その理由はどこにあるとお考えでしょうか。
東京都の多摩地区など、森林認証取得に向けて一気に加速している地域もふえてまいりましたが、本県としてはどのようなスタンスを今後おとりになるのか。林務部長の御見解をお伺いいたします。
また、森林認証を取得、継続するには、申請料、審査料、協議会運営費など何かと費用がかかります。例えば、森林管理を主体とするFM認証を2万ヘクタール申請する場合、申請費用で200万円以上かかります。また、申請書類も複雑多岐にわたるため、専門のコンサルタント等に依頼することになろうかと思いますが、その費用は審査費用とほぼ同額の200万円前後だと言われております。さらには、協議会運営費など毎年100万円近い費用がかかるとのことですが、果たしてこれらの費用を販売利益から容易に捻出することができるのでしょうか。
また、森林認証を取得し、認証材を出荷するということになりますと、関係する自治体や事業者等が認証にかかわる費用を負担するということになります。場合によっては、小規模の素材生産者などにも負担を求められることにもなろうかと思いますが、ぎりぎりの経営状態の中でさらなる費用負担には耐えられないといった、そんな声もあります。木材価格も長らく低迷を続ける中、高い費用をかけて認証を受けることに対し、林務部長はどのような御見解をお持ちでしょうか。お答えをいただければと思います。
さて、この森林認証ですが、この言葉が注目されたのが一昨年から昨年にかけてであります。東京オリンピックにおける新国立競技場の設計を建築家の隈研吾氏が手がけることに決定したというニュース。その中で、建物のコンセプトは木のひさしに囲まれた森の中の競技場であり、使用される木材は森林認証を取得したものが基本であるといった報道がなされたわけであります。
これによって、各地の木材産地は色めき立ちました。特に、北海道の森林関係者の喜びはひとしおだったと想像いたします。というのも、北海道では、既に森林認証を取得している面積は昨年3月時点で111万ヘクタールを誇り全国1位、実に全国の認証材の6割を占めているからであります。北海道では、平成15年に下川町が認証を取得したことを皮切りに、各地で取得への取り組みが進められました。そういった努力が実を結び、北海道の認証材は、今や建築、土木、建具、家具等も非常に出回っております。そんな中で飛び出したオリンピック競技場のニュースですが、森林認証という言葉とともに、北海道の先見的な取り組みが脚光を浴びたというわけであります。
ちなみに、2位は山梨県、3位は熊本県でありますが、認証面積はともに北海道の7分の1から8分の1程度、注目の長野県は36位ですから、認証取得への取り組みは始まったばかりだと言っても過言ではありません。
今、世界市場においては、国際基準というキーワードを無視することができません。例えば、オリンピックなどの祭典においても、選手村などで食事を提供する生産者は、グローバルGAP等といった安全性や環境保全などに関する国際認証規格の取得が求められるようになりました。
グローバルGAPは非営利団体であり、ドイツに本部がありますが、日本にも相互認証を行っているJGAPがあります。認証取得には100万円ほどの費用がかかりますが、これは農水省が全面的に支援しております。ただし、取得に向けては多くの項目において安全確保などに取り組む必要があり、これは専門的なコンサルタントによる指導が不可欠だということであります。
そこで、県農政部では、来年度予算において国際水準GAP実践拡大事業として394万円の予算を計上いたしました。どのような思いで計上され、どのような展開を期待されておられるのか。農業を取り巻く世界情勢も鑑みての農政部長の御見解をお聞かせください。
また、木材においても国際基準が重要視される時代にあっては、国や県としても、市町村、森林組合、個人事業者等に何らかの支援が必要になろうかと思いますが、林務部長の御見解をお伺いしたいと思います。
このように、国際化が進む中においては、今までの農林業施策や取り組みだけでは世界と勝負ができない状況になりつつある昨今、国として、県として、どうかじを取るべきなのか。その岐路に立っていると感じるわけであります。
オリンピック施設の木造部分一つとってみても、ロンドンオリンピック、リオオリンピックにおいては、実に90%以上が認証材であります。認証材以外は木材にあらずといった間違った認識が世界中に根づいてしまうのではないかといった不安感は拭えませんが、しかし、そんな不安をよそに、森林認証の存在感は増すばかりであります。
だとすれば、本県においても、この制度を正しく理解し、認証を取得した暁には、木材がまざり合ってしまうといった認証材の信頼性を根本から損なうような事件、事故等を防ぐようにしなければなりません。それには、林業にかかわる人々、それを消費する人々などの意識改革も大いに必要だと思うわけであります。森林認証という新たなる概念を長野県民の意識の中にどのように根づかせていかれるのか。林務部長の御見解をお伺いしたいと思います。
さて、信州の木材は、樹種や産地によってばらつきはありますが、おおむね品質が高く、取引業者等の評判も上々であります。森林県から林業県に脱皮できる要素は多分にあると思いますが、このような美林を育ててきた人々の努力を無駄にしてはならないと思います。信州木材を新たなるブランド材として育て、融合させ、さらに付加価値を高める取り組みが不可欠ではないでしょうか。
昨年、森林認証に関する視察で北海道へ赴いた際、その普及に取り組んでいるある木材業者さんが次のようにおっしゃっておりました。森林認証を取得しても特にもうかるわけではありません。強いて言えば、現場がきれいになり、社員の意識も向上し、会社のイメージがそれなりによくなったといったところであります。しかしながら、カラマツなどの品質の点で言えば長野県産のほうが間違いなくよいでしょうとのことでした。
私は、その言葉を聞いて複雑な気持ちになりました。確かに、広大な貯木場に積まれているカラマツを見ましたが、どう見ても切り口部分の色艶といい、もとから裏までの成長ぐあいといい、信州カラマツのほうがすぐれているように思えました。カラマツは、もともと標高1,000メートル前後が生育に最も適していると言われておりますから、海沿いで海風に吹かれているケースの多い北海道産カラマツでは生育に支障が出るのもいたし方ないと思います。だとすれば、信州カラマツの優位性を存分に生かし、北海道の認証材に勝ち得るようなブランド化を大いに推進すべきだと思います。
よかろう、安かろうでは、商売を続けるモチベーションは下がる一方だと思います。やはりよいものは安売りしないという販売戦略のもと、しっかりと利益を出し続けることが肝要ではないでしょうか。長野県のヒノキ、カラマツ、アカマツなどの優位性をどうやって県内外にアピールするのか。さらには、森林認証を活用しながらいかに価格の上昇につなげ、林業県の構築を図っていかれるのか。最後に知事の御見解をお聞かせいただければと思います。
森林認証制度についての御質問をいただきました。順次お答えを申し上げたいと思います。
まず最初に、制度の仕組みや意義についての御質問をいただきました。
森林認証制度は、世界的な森林面積の減少等を背景といたしまして、適正に管理され、持続可能な森林経営が行われている森林から産出した木材や木製品に認証マークを付与することで消費者の選択を促す仕組みでございまして、世界的に普及が進んでいると認識をしております。
この制度は、持続可能な経営が行われている森林の認証を行うFM認証と、加工・流通段階での分別管理の認証を行うCoC認証で成り立っておりまして、違法に伐採された木材の流通を防ぎ、適正な森林管理を促すという点で効果のある制度と考えております。
このように、森林認証につきましては、議員御指摘のとおり、木材の品質の高さというよりは、合法性や持続可能性を担保する仕組みとなっておりますので、木材の品質等に関して言えば、日本農林規格制度や信州木材認証制度を活用することが有効であるというふうに考えております。
次に、木材認証の県内での動きと県のスタンスについての御質問でございます。
森林認証の取得状況につきましては、消費者の森林認証の認知度が低いことなどを背景といたしまして、県内のみならず全国的に低い状況でございます。しかしながら、東京オリンピック・パラリンピック関連施設での木材調達につきましては認証材が基準とされたことに象徴されるように、国際的な木材流通においては、合法性や持続可能性に関する関心が高まってきております。
こうした動きを背景に、県内でも東信地域や伊那谷地域では森林認証取得に向けた取り組みが進められ、その他の地域においてもFM認証取得の動きがあるほか、県下17の事業者が連携して全県的なCoC認証取得の取り組みの展開も始まっているなど、森林認証取得に対する機運も高まってきているというふうに認識をしております。県といたしましては、認証取得を希望する地域に対する支援に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、森林認証の費用負担についての御質問でございます。
輸出などの国際的な木材流通に対応しようとする地域では、合法性等の証明のために認証取得が求められることがふえると考えておりますが、議員御指摘のとおり、現状では森林認証に要した費用を材価により短期間で回収することは難しいと考えております。
このため、森林認証の取得に当たりましては、その費用をいかに低減させるかが重要となりますけれども、有効な手法の一つといたしまして、複数の森林所有者や事業体が共同で認証を取得するグループ認証という方法がございます。上小や佐久地域においてもこの方法を採用しているところでございます。
グループ認証では、費用を構成員で分割するために、多くの構成員の参加を促すことが経費の削減につながるため、県といたしましては、市町村や森林林業関係者に対する説明会などを通じまして、森林認証の取得を希望する者に対し、グループ認証など費用を抑えた認証取得の手法の紹介を行っているところでございます。
次に、森林認証取得に対する支援についての御質問でございます。
森林認証は、合法性や持続可能性等を担保するものであり、これらを必要とする消費者をターゲットといたしまして、森林の経営から伐採、加工、流通まで地域で一体的に取り組む必要があるものと認識をしております。
このため、県といたしましては、森林認証取得の意向がある地域に対しては、川上から川下までの地域の関係者がビジョンを共有しまとまった対応がとれるよう、先進地域に関する情報の提供でありますとか地域の統一した森林管理方針の策定に対する技術的指導などを通じまして、地域の合意形成への支援を行っているところでございます。
特に、佐久、上小地域でのグループでの認証取得への取り組みによりまして、協議会の組織や地域での合意形成の手順などについて具体的な知見やノウハウなどが得られたことから、この成果を活用いたしまして他の地域の支援に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、認証材の信頼性の確保と県民の皆様への意識づけについての御質問でございます。
森林認証では、第三者機関により厳格な区分管理等の審査が行われますが、当事者みずからが生産、加工、流通段階において適切に管理を行い、認証材以外の木材や製品の混入を防ぎ、認証材を確実に供給するという信頼性が非常に重要なことから、木材関係団体とともに関係者への指導を徹底してまいります。また、森林認証を受けた森林に限らず、適切な森林管理や再生可能な資源である木材の利用を進めることの意義については、広く県民の皆様に御理解いただくことが大変重要であると考えております。
このため、県といたしましては、これまでも各地で行います植樹祭や木育事業、公共施設の木造、木質化などを通じて普及啓発に取り組んできておりますが、今後、さらにホームページやブログなどさまざまな媒体を活用しPRするとともに、市町村や木材関係団体等の会議や研修会を通じまして、森林認証の取り組みを含め森林管理や木材利用の意義などの普及に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
国際水準GAP実践拡大事業についての御質問にお答えいたします。
昨年12月に東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が示しました農産物の食材調達基準案では、食品安全、環境保全、労働安全、この三つが確保されたグローバルGAPやJGAPなどの第三者によるGAP認証等が食材調達の要件とされ、国内でもGAPへの関心が急速に高まっております。
一方、本県においては、GAPはまだ生産現場に定着していない状況にあり、本県の特産であるレタス等の農産物を東京オリンピック・パラリンピックで使用していただくためには、一定の生産規模を持つJAや大規模生産者を対象にJGAP等の認証取得を推進する必要があります。このため、本事業において専門的なコンサルタント機関による研修などを実施し、GAP認証取得者の増加を図ることとしております。
本事業によりまして、東京オリンピック・パラリンピックへの食材供給を通じて県産農産物の国内外での評価を一層高めるとともに、輸出を含めた国際的な取引にも対応できることが期待されるところでありまして、今後一層のGAPへの取り組みを推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
森林認証に関連しまして、県産材の優位性のアピールと林業県の構築について御質問いただきました。森林認証に関連して私も大変考えさせられる御質問をいただいたなというふうに思っております。
今農政部長から御答弁申し上げましたけれども、先日、服部幸應さんとお話をしたときに、食の分野でも日本のグローバル化は非常におくれているのではないかというお話がありました。東京オリンピックを目がけて慌てて対応しなければいけないという状況になっているわけでありますけれども、この林業の分野についても同じような状況になってきているんじゃないかと思います。
林業白書を見ますと、主要国の森林認証面積は、日本は認証森林割合2%ということで、オーストリアが76%、フィンランド84%等々と比べると、極めて次元の違う水準にとどまっているということをまずは私どもはしっかり認識しなければいけないだろうというふうに思います。
そういう意味で、御質問いただいた点で申し上げれば、私ども長野県は、強度、品質で高い評価を得ているカラマツ、あるいは全国的に資源が減少し希少性が高まっているアカマツ、ブランドとして確立されている木曽ヒノキ、こうした地域ごとに優位性のある資源が存在しています。
ただ、御指摘のように、そうしたものをしっかり生かし切れているかというとまだまだ不十分だなと。知っている人は知っているけれども、知らない人は何も知らないという次元だろうというふうに思います。
そういう意味で、長野県は、この1次産業、農産物、それから森林資源が豊富な県でありますので、このブランド化、付加価値を高める取り組みというものをしっかりと行っていくということが重要だと思っております。
林業サイドでは、信州の木自給圏構築事業におきまして、地域ごとの強みを生かした付加価値の高い加工流通モデルづくりを進めていこうというふうに考えておりますので、そうした中でも、このブランド化というものもしっかり認識しながら取り組みを進める必要があると思いますし、また、カラマツの特徴を生かした新たな製品開発を林業総合センターで行っていますが、いいものさえつくればいいという発想が1次産業は特に強いと思いますけれども、つくるだけではなくて、やっぱりアピールするという視点もしっかり持って取り組みを進めていきたいと思います。
また、森林認証の活用につきましては、放っておくと日本、長野県はガラパゴス化しかねないという状況があります。世界市場を視野に入れて取り組みをしていく際には、特にこの森林認証の活用ということをしっかり位置づけて取り組んでいくことが重要だというふうに思っております。
いずれにしても、御指摘いただいたこの分野全体として、私どもはしっかりと認識を新たにして、長野県の持つこの木材の強みというものをどうしたら発信できるのか。どうすればより生かし、そして付加価値につなげていくことができるのかということを真剣に検討していきたいというふうに考えております。
以上です。
それぞれに御答弁をいただきました。
新たなる制度の導入に関しては最初が肝心だと思いますので、しっかりと戦略を立てながら推進をしていただければと思います。
森林認証制度はトレーサビリティー、つまり木材の生産から消費までの素性と流れの明確化が目的であります。しかしながら、我が日本においては、古来より森や樹木には神が宿るとして、恐れあがめながらなりわいを立ててきた歴史があります。
環境を考慮した森林計画のもと、違法伐採や森林の自然破壊等にも厳しい目が向けられている我が国にとっては、国内で流通している木材はあまねく間違いのない木材であって、今さら外国の団体から指図される必要はないといったプライドをお持ちの林業関係者も多いと思います。そして中には、森林認証は東京オリンピック開催までの一過性のものであり、積極的に取り組む必要はないといった考え方もあろうかと思います。
確かに、農林漁業を初め工業、土木建設業、サービス業に至るまで、国際規格、国際基準、国際標準、国際認証という名のもとで管理されてしまう傾向が強くなってまいりました。世界中の価値観を受け入れる、いわゆる国際感覚を持てない企業や人間はだめだといった風潮も強くなる一方ですが、それによって独自の国家や独自の文化が否定されていくようでは、それこそ重大な問題だと思います。
このところ、世界各国で保護主義が台頭してまいりましたが、その背景には、恐らくとどまることを知らないグローバル主義に対する反動があることも事実だと思います。しかしながら、木材に関して言うならば、我が国もこの森林認証から目を背けることはできないと思います。というよりも、さらにその上をいく森林施策を目指すべきではないでしょうか。
先日、垣内議員の代表質問の中で、直根を発達させた苗の育成を研究する人々を支援し、土砂崩落にも耐え得る強靱な防災林を育てるべきだとの提言がありました。私もかつて、地震による地盤の液状化を防ぐための丸太ぐいの打設研究を支援し推進すべきとの提言をさせていただきました。災害列島と言われている日本では、防災減災に対して森林の木材を活用する、こういった高度な研究に邁進している専門家の皆さんが少なからずいらっしゃいます。ぜひともそういった人々の努力が報われるような林業施策を進めていただければと思います。
異常気象等により自然災害に苦しむ国々は今後ますますふえていくことでしょう。その国々を救えるような技術やノウハウを発展させることができれば、日本独自の防災減災に特化した森林認証制度の確立も夢ではありません。
ぜひとも、他国から指図されるだけでなく、他国をリードするような真の林業県を目指していただきたい、そんなことを心からお願いを申し上げまして、一切の質問を終わります。ありがとうございました。